仏壇は礼拝施設!しかも日本古来の伝統工芸の集大成の形!

先に述べた漆器の話題や自在置物でも少し触れましたが、今回はそれらの技法を使った日本の床の間に鎮座する代表的な仏壇についてです。

ひとことでいえば、仏壇とは日本の一般家屋の中に常設された仏教の礼拝施設です
仏教寺院の本尊を祀る須弥壇(内陣)を小型化したものといえばわかりやすいですね。
私は長い間、お墓と同じようなもので先祖を拝むところと勘違いしていましたが、お仏壇は仏様を拝むところ。
そのため、お仏壇に入れる魂とは、故人の霊のことではなく、お釈迦様とか阿弥陀様とかの本尊佛様のことです。
浄土の故人の冥福を願い本尊様を拝んでいる、というのが仏教の建前のため、毎日お仏壇で拝んでいるのは故人ではなく本尊佛様になる、ということなんですね。

で、仏壇自体ですが、内部は仏教各宗派の本山寺院の仏堂を模した豪華な作りになっています。
桧・松・杉・朴などの白木を素地とし、漆やカシューなどで仕上げ、金箔や金粉で装飾を施されるために高価にならざるを得ない、ということなんですね。
勿論、ここには漆塗りや彫刻、蒔絵、飾り金具といった、日本古来の伝統工芸が集約されているため、仏壇ひとつで日本のあらゆる工芸技法が数多観ることができる訳です。

これも、初めて仏壇を購入してわかったのですが、お仏壇のお飾り、ご本尊の配置などは、各宗派で異なっています。
また、仏壇もピンキリで小型で略式になっているものから、絢爛豪華で車一台が余裕で買えてしまうようなものまで種類も多々あり、ひとつの工芸品だと思ってみていても、見飽きない程のラインナップです。

普段は敬遠される向きの多い仏壇ですが、誰しもが一度は必要となっていくもの。
今はこうした文化も廃れてきていますが、工芸技法という側面も持ちながら一度知識としてご覧になってみるのも一興かと思います。
ひとまずはご参考までに。

【浄土真宗本願寺派】

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【真宗大谷派】

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【曹洞宗】

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【真言宗】

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【浄土宗】

butsudan-jyodo

【日蓮宗】

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