占いの技術を算命術、その原理を算命学といいます。
このあたりの整理についてはこれまでに幾つか説明してきましたので、参照にしてください。
・算命術 十六元法事始め。
・東洋史観 算命学を元に時代推移地図を、の続き!
・東洋史観 算命学を元に時代推移地図を作ると
・算命学 事始め
今回はその原理を簡単に説明した上で、算命術での占いの技術を一部説明することにします。
人の運勢を左右する要因には、外力、内力があります。
【外力】生まれた国、地域、家系、親、性別といった、自らが変えることができないもの
【内力】性格、運命といった、自らの意思、行動で変えることができるもの
内力には、更に宿命と運命とは定義されます。
【運命】生まれてから死ぬまでの自身で変えることも、外部要因で変えられることもある自分の一生のこと。
【宿命】性格、性別など、人がもって生まれたもの。後天的に変えることのできるもの。
算命学では、人の宿命を決める重要な要因として性格を定義し、その性格を生きようとするエネルギーの質で分類しますが、これには五行における5つの要素が基礎になっています。
自然は、木・火・土・金・水の五元素でなりたっており、人の本能は習得、伝達、防御、攻撃、魅力の5種類から成り立っているとされます。
【人の本能】
・習得本能:智:玄武型
食事や睡眠など、訓練や努力なく生命維持に必要な本能
・伝達本能:礼:朱雀型
得たことを他者に伝達したり、後世に残そうとする本能
・防御本能:仁:青龍型
危機から身を守ろうとする本能
・攻撃本能:義:白虎型
生きるために外部に積極的に打って出ていく本能
・魅力本能:信:騰蛇型
人を自分の方に惹きつけようとする本能
上記を含め、算命学における5行の分類を以下にまとめてみました。
算命術では、以上の分類に基づき、その人の生きようとするエネルギーの質を計算して運を占っていきます。
まず、エネルギーの質は数字として表し、その中で最も高い数字が出た本能が、その人が属するものと判断します。
ちなみに、人のエネルギーの質を数字で表すための計算方法には幾つかあります。
1. 元首法:一般的に占術の専門家が使用する方法
2. 元神法:生まれた月だけを使う最も簡単な方法
3. 紫微法:数日をかけて人の本質をとことん把握することによる方法
4. 白虎法:1~3と比べると、更に難しく複雑な方法
5. 庸法:同上
今回は、一般的な元首法を利用してみたいと思います。
【元首法の手順】
1. まず、このページの一番最後にある運命番号表から自分の生まれた年と生まれた月に当てはまる番号を探してください。これがあなたの運命番号となります。
2. 次に、運命番号表から探し出した運命番号に、自分の生まれた日を足し、その上で1を引いてください。これがあなたの運命指数となります。
(exd. 運命番号が15で、自分の生まれた日が11であれば、15+11-1=25が運命指数となります)
もしも、運命指数が60を超えている場合には、60を引いた数が運命指数となります。
(exd. 運命指数が85であったら、85-60=25が運命指数となります)
3. 運命指数が出たら、以下の表から運命指数に当てはまる箇所を探して、そこにはいっている五行と陰陽を確認してください。これがあなたの五行と陰陽となります。
(exd. 上記で最終的な運命指数が25だったので、五行は土星、陰陽は陽となります)
4. 最後に、以下の表から自分の生まれた月を探し出し、上の表から選び出した五行と陰陽があてはまるエネルギー指数を探してください。
(exd. 上記で五行は土星、陰陽は陽だったので、例えば自分の生まれた月が6月なら、木:2、火:12、土:24、金:7、水:3となります)
探し出されたエネルギー指数の中で、最も数字の高いものがあなたの宿命のタイプとなります。
(exd.上記で土:24が最も数字が高かったので、宿命のタイプは騰蛇型となります)
・水:玄武型
・火:朱雀型
・木:青龍型
・金:白虎型
・土:騰蛇型
自分の宿命タイプがわかりましたか?
では、五本能による人のタイプをちょっとだけ説明していきましょう。
これは、算命学を元に総合的に出したものの一部になります。
【玄武型】
玄武型のタイプは、全体として知能に優れ、人生において深刻な苦しみを味わうことは少なく、また努力の多少に関わらず、人に助けられる幸運な傾向にあります。
男性は、理数系の分野に優れた才能を持ち、物事を理論的に考えるため、このタイプの子供を持った親は是非その能力を伸ばしてあげるような学問に才を見出してあげるべきです。
性格は穏やかです。
しかし習得本能が強いので、他者から学び取るのは得意ですが、それを他者にうまく表現する能力に欠ける傾向にあります。
学者や芸術家に見られるタイプでして、直接自分を表現するよりは、文章や絵画などで間接的な表現の方に長けており、反面決断力や実行力が欠ける性向にあります。
女性は美人型で知性美を持ち合わせる傾向にあります。
夫や恋人、親兄弟を冷静に観察し、厳しく批判しますし、好き嫌いも激しいです。
しかし、女性自身にとっては吉の型です。
【朱雀型】
朱雀型のタイプは、孤独の運を持っており、周囲の環境によって大成功したり半面大失敗したりする傾向にあります。
自分より劣る者を助けるのが本来の運なので、人に助けられながら何も苦労のないままに成長すると大成しないタイプです。
逆に周囲が自分に頼ったり大きな逆境に陥ると、実力を発揮する性向にあり、義理人情が厚く、優しくて愛情こまやかです。
感受性も鋭く神経質ですが、目的があるときとないときとの行動のムラが激しく、いずれも極端に陥る傾向があります。
【青龍型】
青龍型のタイプは、平和主義でロマンチストであり、ひとつのことをコツコツと時間をかけて行っていき、やがてそれを成し遂げる傾向にあります。
お金の回転が良いため金銭的にも恵まれます。
与えられた環境に適応して穏やかに行き、行動半径はそう大きくなく、マイホーム主義で家庭では伴侶にも子供にも優しい傾向にあります。
防衛本能が強いので、堅実で、実業家や商家の二代目タイプであり、奉仕の精神に飛んでいるので医者、実業家、宗教家などに向いています。
【白虎型】
白虎型のタイプは、短気で好き嫌いがはっきりしており、世の中が穏やかだと意気があがりませんが、世情が乱れると頭角を表す傾向になります。
物事は白黒はっきり決めなければ気が収まらず、目的達成のためには手段を選びません。
理屈や思想も必要なく、実行してできあがったもので価値を判断する性向があります。
仕事に完璧を求めるので、きちんとできない人がいると、その人の価値を低く見る傾向があり、冷たい人だと見られがちです。
持続力は青龍型ほどないこともあり、TOPというよりは参謀や補佐役が向いています。
【騰蛇型】
騰蛇型のタイプは、人の上に立つ星を持っており、天性の大将の器のため、出処進退を心得ており、人の和や信頼関係を重んじる傾向にあります。
人間関係を大切にし、人の話を注意深く聞く性向になるので、世に出て行くのも青龍型や玄武型と比べると遅く、所謂大器晩成型です。
しかし、人の力を借りることはできず、家族や家に恵まれていても、成功するためにはすべて自分の力で築いていかなければ成し遂げることが難しくなります。
表面はドライに見られがちなので、若いうちは誤解を受けたり理解してもらえる相手がいない苦しみを味わうこともありますが、こうした試練は後々の糧となるので、捨て鉢にならないことが肝要です。
子供が騰蛇型の場合には、厳しく教育し、不屈の精神を植えつけるのが親としての愛情です。
以上が、五本能による人のタイプとなります。
いかがですか?
御自身が本来持ち合わせている運というものに、何がしらかの宿命を感じてきましたか。
とはいっても、これもあくまでほんの一部の解説にすぎません。
五本能についての更に細かい説明については、追々整理していきたいと思います。
なお、ご注意頂きたいのは、五本能についてはあくまで算命術の基礎要素のひとつにすぎず、これだけで人の性格を決定してしまうものではないという点です。
※)算命術の膨大な技法と思想は十六の理論体系・十六元法・体系から成ることは、前回の整理の内容を参考にしてください。
これらの膨大な技法と思想についても、(徐々にではありますが)追って整理して参ります。
ですので、いくつかの内容を総合的に加味しながら、ご自身の運気を占うための参考にして頂ければと思っております。
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運命番号表 平成元年~平成17年
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