【千夜一夜物語】(56)  九十九の晒首の下での問答(第844夜 – 第847夜)

前回、”気の毒な不義の子のこみいった物語”からの続きです。

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昔、あるルーム人の国に、国王と王妃がいたが、運命の変転により没落してしまった。
国王と王妃は王子とともに旅に出て、ある名君が治める国に着いた。
王子はその国の王に会い、父を奴隷として預ける代わりに名馬1頭を借り、母を奴隷として預ける代わりに武具甲冑を借り、馬と武具甲冑を返した時には父母を帰してもらうことを願い出、願いは許された。

王子が旅を続けると、大きな町があった。
そこの王女は絶世の美女であるが、求婚に来た男に対し問答を行い、男が答えられないと打ち首にし、既に99の首が城門に晒されているのであった。
王子は問答に応じ、王女の「私と私の女奴隷たちは何に似ているか」などの問いに次々答えていった。
最期に王女の問いが尽きたので、今度は王子が王女に対し「私は馬に跨りながら父に跨り、甲冑を着ながら母の衣を着ているとはどういうことか」と問い、王女が答えられなかったので、問答は王子の勝ちとなった。

王子と王女は結婚し、その後、王女の父である国王が亡くなったとき王子は国王になった。
王子は馬と武具甲冑を返し、父母を返してもらい、一同幸せに暮らした。

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次回は、細君どもの腹黒さです。

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