このところ年齢のせいか、妙に油が気になる私ですが、今回は『エキストラ・ヴァージン・オリーブオイル』について、です。
”流行りのオイルはオメガ3兄弟!亜麻仁油、エゴマ油、グリーンナッツオイル、ココナッツオイル!”
オリーブオイルは、体への悪影響をもたらすトランス脂肪酸やコレステロールが含まれておらず、体に良いと言われているポリフェノールやオレイン酸、α-トコフェロールといった成分の宝庫ともいわれていますが、実際どういった効果があるのかご存知ですか。
【ポリフェノール】
高い抗酸化作用を持ち、高血圧、動脈硬化、冷え性に効果的と言われています。
ポリフェノールは、オリーブオイルの辛味の成分ともなっているので、辛みのあるオリーブオイル程、ポリフェノールを多く含んでいるといえます。
【オレイン酸】
善玉コレステロールを下げずに、動脈硬化などの心疾患の原因となる悪玉コレステロールだけを下げる働きを持っており、便秘にも効果的と言われています。
【α-トコフェロール】
ビタミンEの中でも最も活性酸素を抑える働きと抗酸化作用が高く、肌荒れに効果的で、老化の防止にも役立ちます。
しかしながらオリーブオイルも精製処理を施すと、このような栄養素を大幅に失ってしまうことなります。
しかもエキストラ・ヴァージン・オリーブオイルは、オリーブオイルの中でも特に高品質な油で酸度が0.8度以下のものしか名乗れないそうです。
こうした、カラダに良い効果があると言われている今注目のエキストラ・ヴァージン・オリーブオイルですが、市場では偽証の商品がかなり出回っているといわれています。
ちなみに欧州では、国際オリーブ協会(IOC)で制定されている基準を満たしたものだけをエキストラ・ヴァージン・オリーブオイルと指すそうですが、日本には国際的な品質規格である「エキストラ・ヴァージン」規格の法規定そのものがないため、偽のエキストラ・ヴァージン・オリーブオイルが出回っても、「品質偽装」には当たらないんだそうです。
そのため、堂々と偽表示が横行している現実があるのですね。
そこで、美味しいオリーブオイル、本物のエキストラ・ヴァージン・オリーブオイルの見分け方について、ちょっと整理してみることにします。
一般的に美味しいオリーブオイルの判断基準には、酸度、色、濃度、味、香り、鮮度、価格があるといわれていますので、選び方のポイントを幾つか纏めておきましょう。
【酸度】
国際オリーブ協会の定義では、酸度が0.8度以下のものをエキストラ・ヴァージン・オリーブオイルと呼びます。
しかも酸度が低ければ低いほど、品質が良いとされています。
しかし、化学的な製法で酸度を下げ販売されているオリーブオイルもあり、単純に酸度だけで判断するのは禁物です。
ちなみに、化学的な精製を行うと、ビタミンやポリフェノールなどの有益な成分が取り除かれ、栄養価が大幅に低下してしまうことから、こうしたものはエキストラ・ヴァージン・オリーブオイルとは呼ばないそうです。
こうした化学的に酸度を下げられたオリーブオイルを見分けるため、酸度と共に化学的に数値を下げられない幾つかの値を併せて見る必要があるそうです。
ちなみにこれらの成分の数値が低ければ低い程、不要な酸度下げを行っていない、高品質なオリーブオイルであるということが言えるとのことです。
国際基準の分析で、K270、K232、Dk、Peroxide(過酸化物)という数値が使われていますが、エキストラ・ヴァージン・オリーブオイルの国際基準値は以下となっています。
酸価 0.8以下
K270 0.22以下
K232 2.5以下
Dk -0.01以下
Peroxide 20以下
エキストラ・ヴァージン・オリーブオイルの場合はこれを全て下回っていなければなりません。
K270、K232、Dkは、オリーブオイルに含まれる弱酸性物質を示したもので、数値が低ければ低いほど新鮮なオイルとされています。
また、Peroxideは、オリーブオイルの酸の状態を示したもので、数値が低ければ低いほど細胞に有害な弱酸性成分が少ないオイルとされています。
あとこれ以外にも、収穫されたオリーブはろう質に覆われていることから、ろうの含量が少ないことはオイルが最良の条件下で、また早い段階で抽出されたことを示す基準となるそうです。
【色】
一般的に質の良いオイルは、グリーン色とされています。
グリーンの色はオリーブオイルに含まれるクロロフィル色素によるものなので、光に触れるとクロロフィルが分解してグリーン色から黄色よりへと変化します。
そのためオリーブオイルには、アルミニウムや色の濃いガラス瓶など光が通りにくい容器が使われているそうです。
なお、黄色が強いオリーブオイルは、古いオイルの指標とされることもありますのでご注意ください。
【濃度】
オリーブオイルをお皿などの平たい物の上に垂らしているとすぐにわかります。
オイルと垂らすと、すぐに広がらずにゆっくりと広がっていくのが濃度が高い良いオイルなのです。
すぐに広がるのは、濃度の低い薄いオイルですので、品質が悪いか古いオイルといえます。
【味】
ポリフェノールの値が高い、ピリッとした味が、良質なオリーブオイルだといわれています。
というのも、苦味の成分がポリフェノールのため、味はやや苦いくらいのものが良いとされているのです。
【香り】
嗅いで見て、若々しいオリーブ、森の香りがするものが良いでしょう。
私達は、味や風味の欠陥をごまかすために脱臭加工された安価で味も香りもないオリーブオイルに慣れてしまっているため、オリーブの果実風味が豊かな本物のエキストラ・ヴァージン・オリーブオイルの香りをかぐと、逆にクセが強くて驚くかもしれません。
無味無臭なオリーブオイルには、要注意です。
【鮮度】
オリーブオイルは鮮度が命ですので、開封したら1ヶ月以内には使いきるようにした方がよいです。
とくにエキストラ・ヴァージン・オリーブオイルなどはフレッシュジュースと同じような状態なので、まさに生の搾りたてのオイルです。
そのため美味しいのですが、当然日持ちがしないということなる訳です。
ちなみに、高温加熱処理されていないオイルを選ぶのは必須です。
④加熱調理用に利用する場合もエキストラ・ヴァージン・オリーブオイルを利用する。
【価格】
安価なものは偽証の可能性も高いため、1CCで10円以上の上質なものを選ぶ基準とした方がよいそうです。
一説には、国内のスーパーなどに出回っている8~9割はエキストラ・ヴァージン・オリーブオイルとは言えないとも言われていますので、しっかり吟味して選ばれた方がよいでしょう。
これからは、消費する側もきちんとした品質の商品を見抜く力を備えておかなければならない時代になっていきます。
風評に惑わされることなく、しっかりした目を養っていきたいものですね。