日本のお盆の行事は地域によって、旧暦の日がそのまま新暦に移行した「七月のお盆(7月13日~15日)」、月遅れの「八月のお盆(8月13~15日)」、それから時期が年により変わる「旧暦のお盆(今年2015年は8月26日~28日)」と、大きく3つの時節に分けられますよね。
今日(7月13日)はそんな中、「七月のお盆」の『お盆迎え火』です。
六月晦日に「夏越しの祓え」をすると、それから七日目の上弦の月の日が「七夕」、そしてその七日後の望月の日が「お盆」となります。
これらの行事は「夏越しの祓え」が神社の行事、「七夕」は家の行事、「お盆」はお寺ないしは仏教的な行事というイメージが強く、一連の行事としての繋がりはわかりにくくなってしまいましたが、「二十日盆」の神送りまで本来はひと続きの行事でした。
盂蘭盆とは梵語のウランバナの音写で「逆さ吊りの苦しみを救う」という意味。
そんなお盆(盂蘭盆会)は、13日が迎え盆、15日は中元、16日は新月で送り盆となります。
墓参りが済み精霊棚を飾ったら、13日の夕方に家族で迎え火を焚き、麻の苧殻を門口で焚き先祖の霊を迎え、16日には送り火を焚きます。
中元は旧暦新暦を問わず暦の7月15日(ちなみに上元は1月15日、下元は10月15日)と決まっていて、お盆も同じ。
いわゆるお中元の「中元」は、中国の道教の祭日、三元の中元を起源としており、この日は贖罪の日として一日中火を焚いて神様を祝う風習がありました。
そして7月15日には仏教の行事である盂蘭盆会が行われていたこともあり中元と盂蘭盆会の行事は一体化しています。
江戸時代には、お盆の風習が民間行事として盛んになり、親族や知人の家を訪ねて進物の贈答をすることが行われましたが、この盆礼がお中元の起源となっている訳です。
ですので、7月15日までならお中元、過ぎなら暑中見舞い、立秋過ぎなら残暑見舞いと熨斗書きを変えることになるのです。
古来からのいろいろな行事が現在の風習にもこうした形で残っていることを、改めて意識していきたいものですね。