日本人の教養として美しい漢字を!文化編1

私達の日常を取り巻く文字の中で、普段あまり使われることがなくなってきた漢字も数多あります。
しかし、こうした漢字の中には非常に美しいものや、はっと気づかされる意外なものがあります。
手書きで文字を書く習慣もますます少なくなってきていますが、普段使用頻度の低い漢字を顧みることで、新たな再発見をして欲しい。
そんな思いで、何回かに渡って美しい漢字を整理してみたいと思います。
ふとした折にこれらの漢字を使って、センスの良さをアピールしてみる、なんてのもいかがですか。

前回までは食でしたが、今回は文化にこだわってみたいと思います。

【衣桁】いこう
・室内で衣類などを掛けておく道具。

【十六夜日記】いざよいにっき
・藤原為家の側室・阿仏尼によって記された紀行文日記。

【宇治拾遺物語】うじしゅういものがたり
・13世紀前半頃に成立した、中世日本の説話物語集。

【羅】うすぎぬ・うすもの
・捩織で織られた、薄く透き通る絹織物。

【打掛・裲襠】うちかけ
・日本の女性の着物(和服)の種類の一つ。 着流しの重ね小袖の上に羽織って着る小袖。

【衣紋掛】えもんかけ
・衣服を干すために掛けておく際に用いる道具。

【笈の小文】おいのこぶみ
・江戸時代中期の俳諧紀行。松尾芭蕉著。

【婦系図】おんなけいず
・泉鏡花の小説

【蜻蛉日記】かげろうにっき
・平安時代の女流日記。作者は藤原道綱母。

【帷子】かたびら
・裏をつけない衣服の総称。ひとえもの。

【閑吟集】かんぎんしゅう
・室町時代後期の歌謡集。

【金槐和歌集】きんかいわかしゅう
・鎌倉時代前期の源実朝の家集(歌集)。

【愚管抄】ぐかんしょう
・鎌倉時代初期の史論書。作者は天台宗僧侶の慈円。

【蹇蹇録】けんけんろく
・明治時代の外務大臣陸奥宗光が執筆した外交記録。

【国姓爺合戦】こくせんやかっせん
・近松門左衛門作の人形浄瑠璃。のちに歌舞伎化された。

【古今著聞集】ここんちょもんじゅう
・鎌倉時代、13世紀前半の伊賀守橘成季によって編纂された世俗説話集。

【鞐・小鉤】こはぜ
・布に縫い付けられた爪型の小さな留め具。

【晒布】さらし
・漂白した布。別名 漂布。

【三教指帰】さんごうしいき
・空海による宗教的寓意小説に仮託した出家宣言の書。

【錣】しころ
・兜・頭巾の左右・後方に下げて首筋をおおう部分。

【十訓抄】じっきんしょう
・鎌倉中期の説話集。

【繻子・朱子】しゅす
・経糸(たていと)・緯糸(よこいと)五本以上から構成される織物組織の一つ。

【続日本紀】しょくにほんぎ
・平安時代初期に編纂された勅撰史書。『日本書紀』に続く六国史の第二にあたる。

【神皇正統記】じんのうしょうとうき
・南北朝時代の史論書。北畠親房著。

【素襖】すおう
・日本の男性用民族衣装のひとつ。

【菅笠】すげがさ
・雨や雪、直射日光を防ぐために頭に被る道具。

【生絹】すずし
・生糸で織った練られていない絹織物。

【歎異抄・歎異鈔】たんにしょう
・親鸞の法語を記した鎌倉時代後期に書かれた日本の仏教書。

【褞袍】どてら
・防寒用の和服の部屋着。長着よりも大きめに仕立てた厚綿入れで、広袖、襟に黒繻子、綿ビロードの掛襟をする。

【誹風柳多留】はいふうやなぎたる
・一六七編からなる江戸時代中期から幕末にかけての川柳集。

【背嚢】はいのう
・皮や布で作った、背中に負う方形のかばん。

【法被】はっぴ
・日本の伝統衣装で、祭などの際に着用し、また、職人などが着用する印半纏。

【緋縮緬】ひぢりめん
・緋色の縮緬。女性の長襦袢や腰巻に多く用いられる。

【褌】ふんどし
・日本の伝統的な下着。

【濹東綺譚】ぼくとうきだん
・永井荷風の小説。

【釦・鈕】ぼたん
・ 衣服を打ち合わせてとめるもの。

【梁塵秘抄】りょうじんひしょう
・平安時代末期に編まれた歌謡集。今様歌謡の集成。編者は後白河法皇。

【令義解】りょうのぎげ
・日本古代国家の基本法である『養老令』の公的解釈を示した書物。

【綾羅】りょうら
・あやぎぬとうすぎぬ。また、美しい衣服。羅綾。

【草鞋】わらじ
・稲藁で作られる日本の伝統的な履物の一つ。

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