私達の日常を取り巻く文字の中で、普段あまり使われることがなくなってきた漢字も数多あります。
しかし、こうした漢字の中には非常に美しいものや、はっと気づかされる意外なものがあります。
手書きで文字を書く習慣もますます少なくなってきていますが、普段使用頻度の低い漢字を顧みることで、新たな再発見をして欲しい。
そんな思いで、何回かに渡って美しい漢字を整理してみたいと思います。
ふとした折にこれらの漢字を使って、センスの良さをアピールしてみる、なんてのもいかがですか。
今回は、前回に引き続き文化にこだわってみたいと思います。
【顎足】あごあし
・食事代と交通費を先方が負担すること。
【薄茶】うすちゃ
・抹茶のひとつ。製法は濃い茶と変わらないが、古木でないチャの葉から製するもの。
【馬立】うまたて
・平面的な大道具(板羽目や貼り物など)を格納するところ。
【主菓子】おもがし
・茶席の濃茶(こいちゃ)に出す和菓子。
【皆具】かいぐ
・茶の湯で、台子や長板に飾る茶道具一式。
【懐紙】かいし
・懐に入れて携帯するための小ぶりで二つ折りの和紙のこと。
【齧り付き】かぶりつき
・舞台にかぶりつくようにして見るところから》舞台際の客席。
【木戸銭】きどせん
・興行見物のために入り口で払う料金。入場料。
【擽り】くすぐり
・演芸・文章などで、ことさらに観客や読者を笑わせようとすること。
【廓噺】くるわばなし
・落語で遊郭を扱った話しのこと。
【濃茶】こいちゃ
・抹茶の一種。被覆栽培された老木の茶葉のうち,萌芽の3葉ほどのところから採取したものを茶臼でひいて抹茶として用いる。
【香盤】こうばん
・演劇で、出演する俳優の名と配役とを出し物の各場面ごとに書いた表。劇場の観客席の座席表。
【杮落とし】こけらおとし
・新たに建てられた劇場で初めて行われる催しのこと。
【小咄】こばなし
・気のきいた短い話。一口話。また、短い落語や落語のまくらに用いる笑話。
【食籠】じきろう
・主菓子を客の数だけ盛り込んで出すための蓋付きの器。
【真形】しんなり
・最も基本的な形態の茶の湯釜。茶の湯専門の釜出現以前の湯釜の形態を残したもの。
【炭斗】すみとり
・亭主が客の前で炉や風炉に炭を組み入れる炭点前で用いる、炭を組み入れ、香合・羽箒・釜敷・鐶・火箸を添えて席中に持ち出す器
【迫】せり
・舞台の床の一部をくりぬき、そこに昇降装置を施した舞台機構。
【粗忽噺】そこつばなし
・粗忽者(おっちょこちょい)が主人公の噺
【曾呂利】そろり
・文様がなく、細口で、耳がなく、首が細長く、肩がなく、下部がゆるやかに膨らんだ姿の古銅花入
【太夫・大夫】たゆう
・遊女、芸妓の位階。最高位である。
【茶筅】ちゃせん
・茶道において抹茶を点てるのに使用する茶道具のひとつで、湯を加えた抹茶を茶碗の中でかき回して均一に分散させるための道具。
【堆朱】ついしゅ
・彫漆の一種で、油を混ぜた漆を幾重も塗り厚い層を作り、文様を彫刻したもの。
【蹲踞・蹲】つくばい
・日本庭園の添景物の一つで露地(茶庭)に設置される。茶室に入る前に、手を清めるために置かれた背の低い手水鉢に役石をおいて趣を加えたもの。
【手囃子】でばやし
・長唄で、唄方と三味線弾きとが舞台に出て、観客に姿を見せて演奏すること。
【点前】てまえ
・ 茶道で,手前のこと。
【砥粉】とのこ
・粘土(黄土)を焼いて粉にしたもの。
【緞帳】どんちょう
・舞台にある幕のひとつで、客席から舞台を隠すための幕。
【棗】なつめ
・薄茶器の一種で、最も一般的に使われているもの。
【野点】のだて
・屋外で茶または抹茶をいれて楽しむ茶会のこと。
【端折る】はしょる
・着物の裾を折り上げて帯に挟む。ある部分を省いて短く縮める。省略する。
【破礼噺】ばればなし
・下ネタでちょっとHな噺
【半東】はんとう
・茶の湯で,亭主を補佐して茶事を手伝う役。
【贔屓】ひいき
・自分の気に入った者に対して肩入れし、援助すること。
【干菓子】ひがし
・水分の少ない乾燥した和菓子の総称。
【袱紗・帛紗】ふくさ
・正方形の絹布のこと。冠婚葬祭の様々な場面で進物の上に掛けたり、包んだりするのに使用する。
【幇間】ほうかん
・酒の席を盛り上げることを生業とする男性。
【水指】みずさし
・茶道具のひとつである。 水差という別表記がある他、水器という別名でも呼ばれる。
【立礼】りゅうれい
・起立して敬礼を行うこと。
【吝嗇噺】りんしょくばなし
・ケチな主人公の噺