神様って何? その2(神社信仰)

前回は、自然信仰の中に息づいている、自然の中に隠れて私達を見守ってくれているとされる代表的な神様達を整理してみました。
そこで今回は、神社信仰とそこに息づく代表的な神様を整理してみたいと思います。

そもそも、八幡さま、お伊勢さん、天神さま、お稲荷さんなど、全国には約8万を超える神社がありますが、それらはそれぞれの土地や地域の生活と関わり合いながら、多様な信仰が展開してきています。
そもそも奈良時代の仏教の伝来により神仏習合し、そこから神宮寺、鎮守社などを代表する信仰と融和しました。
それが平安時代になると、朝廷が国家の大事に祈願した神社として二十二社が作られたり、それぞれの地域で一宮とされた神社が祭られるようになります。
その信仰は、八幡、伊勢、天神、稲荷、熊野、諏訪、祇園、白山、日吉、山神が上位に続き、やがてはこれらの信仰が神社数全体の約4割を占めるようになっています。

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【八幡】:大分・宇佐神宮にはじまり、京都・石清水八幡宮、神奈川・鶴岡八幡宮に展開、やがては皇室守護神から鎌倉幕府の武家信仰へと広がる
武家や寺院の守護神。
源氏の氏神として戦の神とされている。
祭神は応神天皇、比売大神、神功皇后。

「宇佐八幡宮」(大分県)
宇佐神宮が本名ですが、一般には八幡様と呼ばれている。

【伊勢】:国家・皇室守護神として崇敬され、神宮の領地や東国に広がり、農耕神・福神として祭られる
国家鎮護の最高神、皇室の祖神。

「伊勢神宮」(三重県)
別格の神社で、元々は神宮というと伊勢神宮を意味してきたが、今日ではむしろ東京の明治神宮を意味することが多い。
主神は天照大神(天皇家の祖先神)「内宮」、豊受大御神(食物神)「外宮」。

「明治神宮」(東京都)
今では神宮というと明治神宮を意味することが多い。
祭神は明治天皇。

「熱田神宮」(愛知県)
尾張地方の開墾、開拓の神。
三種の神器の一つである草薙の剣が祭られている。
主神は熱田大神。要は天照大神。
日本武尊(やまとたけるのみこと)が祭られている。

【天神】:菅原道真公を由来とし、福岡・大宰府天満宮から、京都の北野天満宮をはじめとし、西日本を中心に広がる。
雷雨の神、学問や和歌などの神様
大宰府の天神様のように、歴史上有名な人物が神格化されて祭られている場合も多々ある。
日光の東照宮の祭神は徳川家康。
神田神社(神田明神)の祭神は、一宮が「おおあなむち」、二宮が「すくなひこな」、三宮が「平将門」。

「太宰府天満宮」(福岡県)
俗称天神様。
祭神は菅原道真公。

【稲荷】:東日本を中心に広がっており、全国に数万の社が存在する。
稲荷信仰は食物、穀物の神とされる一方、屋敷神ともされたりして氏族の守護を司るとされている。
また、商売の神として多くの信仰を得ている。

「伏見稲荷大社」(京都府)
お稲荷さんで親しまれているもの。
稲荷神社の本家とされている。
祭神は食物、稲の神とされる「うかのみたま」。
ちなみに愛知の「豊川稲荷」も有名ですが、こちらは全く別系統で、仏教での「だきにてん」と稲荷が習合したもの。

【熊野】:熊野水軍の海上交通を基点に広がり、東北地方にも多く分布
農林水産の神、良縁の神。
神道、仏教、民間信仰、修験道などを習合した信仰。

「熊野神社」(和歌山県)
熊野信仰の母体となっている神社は紀州の熊野三山つまり「熊野本宮大社」と「熊野速玉大社」「熊野那智大社」をさす。
この他に島根にも熊野大社という非常に由緒ある社などもある。
祭神は本宮が家津御子(けつみこ)大神とされるが、この本体は須佐之男命(すさのう)。
速玉は熊野速玉大神だが、この本体は「いざなぎ大神」。
那智は「おおあなむち」。

【大社】:出雲、春日、諏訪、日吉などがあり、地域の中心となる格式高い神社を指す。

「出雲大社」(島根県)
本来はここだけが「大社」と呼ばれていた。
主神は譲りを行った大国主大神。
縁結び、開運など。

「春日大社」(奈良県)
竜神、雷神、藤原氏の氏神社として興隆したもの。
祭神は大国主に国譲りの談判を行った建御雷神(たけみかずち)と日本書紀で共に談判にいった経津主神(ふつぬし)。共に戦の神。
縁結び、開運などを司る。

「諏訪大社」(長野県)
狩猟神、軍神、風神、水神。
祭神は大国主の国譲りの話しに出てくる建御名方神(たけみなかた)。
現在も御狩神事が行われている。

【白山】:水の神、農耕の神、縁結びなど。石川の白山比め神社などが有名。
祭神は菊理媛神(くくりひめ)
白山を対象とする山岳信仰

【祇園】:疫病除けとして、京都の八坂神社、愛知の津島神社などが有名。
祭神は須佐之男命。

【鹿島】武神、水の神。
祭神は建御雷神。

【金比羅】海上安全、雨祈願。香川の金刀比羅宮などが有名。
祭神は大物主神。

【三島・大山祇】山神、海上守護。静岡の三嶋大社、愛媛の大山祇神社などが有名。
祭神は大山津見神。

次回は、今回も多少でてきた古事記や日本書紀における日本神話の神様を整理してみたいと思います。

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