あなたは、自分の家紋ってご存知ですか?
ルイ・ヴィトンの星と花の柄にイニシャルを組み合わせたモノグラムデザインも、日本の家紋がモチーフになっているそうです。
1896年当時は、パリ万国博覧会をきっかけにヨーロッパでは絵画を初めとするジャポニズムブームの頃。
そんな中、ルイ・ヴィトンも日本文化のひとつである家紋の影響を受けていたものと思われます。
そもそも家紋とは、特に日本において古来から使用されている紋章であり、今日まで息づいている日本固有の文化です。
自分の家系や血統、家柄・地位、出自や由来を表すために用いられてきたもので、日本だけでも10,000種以上の家紋があるといわれています。
九州出身の私、首藤家の家紋は「丸に向こう梅」
清雅な姿と香りで古来から日本人に愛されてきた梅ですが、「梅紋」はその種類も多く、ざっと探してみても200種以上の紋があります。
梅と言えば、九州では天神様に関わりが深く、菅原道真公。
どうやら道真公がこよなく梅を愛したのがその縁起のようで、太宰府天満宮でも飛梅、御神酒の梅酒、梅ヶ枝餅は有名ですね。
ちなみに家紋の種類としては、植物紋、動物紋、調度紋、文様紋、文字紋などがあります。
植物紋:
最も種類が多いもので、花や葉をモチーフにしており、五穀豊穣や武勇、縁起などを願うものです。
主なところでは葵、藤、松、銀杏、梅、蔦、 柊、桜、稲、南天、桔梗、柏、桐、杉、竹、竜胆、杉、笹、瓜等があります。
「徳川一門」の葵紋は神社の神仏から由来した植物紋、「豊臣秀吉」の桐紋も中国の伝説より由来した権威を表す植物紋です。
動物紋:
鷹、鶴、蝶、雁といった飛ぶ動物がモチーフのものが多いことが特徴です。
織田信長の家臣「池田輝政」の蝶紋、赤穂四十七士の「浅野長矩」の鷹の羽紋は武勇を誇示する動物紋です。
調度紋:
構造物をデザインした鳥居や庵、武具や宗教道具、生活に必要な工具・道具などをデザインしたものです。
代表的な家紋は団扇、扇、笠、釘抜き、剣、銭、鳥居、瓢箪、矢、ろうそく等の家紋があります。
「真田幸村」の六文銭、「柳生宗矩」の笠紋などが調度紋です。
文様紋:
直線と曲線で幾何学的にデザインしたもので、直線を用いた角、亀甲、鱗、井桁、曲線を用いた巴、蛇の目、唐花、輪等があります。
代表的なのが巴紋で「土方歳三」は右三つ巴です。
文字紋:
「直江兼続」で有名なご存知「愛」の紋様などは、代表的な文字紋です。
「石田三成」の「大一大万大吉」、「島津家」は「丸に十字」なども文字紋です。
最近では家や家系への意識も薄くなり、自分の家の家紋や宗派を即答できる人も少なくなっているのかもしれません。
しかし、日本の家紋は西洋の紋章とは異なり、自分の家系や血統、家柄・地位、出自までをも現す独特の文化へと発展を遂げています。
そもそも家紋とは、あなたの祖先と家に伝わるロゴマークでありシンボルマーク。
ご先祖様からあなたへ繋がる血の流れを、簡単な紋様に置き換えて表現したものです。
古来、武士にとって、紋付の着物や提灯を下げて歩くことは、看板を持って歩くことと同じ。
自らの威厳と祖先への畏敬を示すためにも大事なアイテムのひとつであることに変わりはありません。
着物文化の衰退と共に、あまり自分の家紋を意識することもなくなってきているかもしれませんが、世界に誇れる日本の代表的な文化として、改めて見直してみてはいかがでしょうか?
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