Old Rip Van Winkle Distillery :野獣死すべし

つらつらと、好きなものの組み合わせで雑談でもしましょう。

バーボンは口当たりが好みに合っていることもあり、銘柄へのこだわりもなく片っ端から飲む傾向にあるのですが、今回は少し思い入れのある”ヴァン・ウィンクル”です。

最近は朝ドラの影響からか、とかくスコッチ・ウイスキーに注目が集まっていますが、私はウイスキーなら専らバーボンですね。
フォア・ローゼズ
メーカーズマーク
I.W.ハーパー
ジム・ビーム
ジャック・ダニエル
アーリータイムズ
ワイルドターキー
エライジャ・クレイグ
ウッドフォードリザーブ
などなど、おなじみのバーボンはいろいろありますが、ヴァン・ウィンクルとの出会いは、もう25年程も前でしょうか。
当時大変お世話になってたオカモトサンという先輩が酒好きで、一緒に神戸に長期出張していたときによく通っていたバーで教えてもらったのが最初です。
20代なんてお酒の味も良くわかっていない年代ですが、そこで初めて飲んだ”ヴァン・ウィンクル”は今だにホント美味かったなあ、と記憶しています。

実はバーボンの蒸留所って、スコッチ・ウイスキーに比べると全然少なくてせいぜい10ちょっとぐらいなんです。
これって、世に知られているバーボンの銘柄数だけで比べても随分少ないと思いませんか。
今年になってサントリーがジム・ビームを買収しましたが、このように買収だったり資本が変わったり、蒸留所自体がやっていけなくて銘柄を譲渡したり、で意外とニッチな領域なんですが、その反面”ヴァン・ウィンクル”のように細々ながらも生き残っていけるような銘柄もある訳です。
希少ということもあって日本にはあまり仕入れられることも少ないバーボンですが、機会があればそのコクと風味を味わってみてください。
絶対、オン・ザ・ロックがお勧めです。

数少ない独立系の蒸留家、由緒正しきヴァン・ウィンクル家伝統のバーボン。
もちろんバーボンなので主原料はトウモロコシですが、他に小麦を使い、ライ麦を使わないのがココの特徴です。

せっかくですので、映画に絡めた小ネタでも。

ヴァン・ウィンクルといえば、アメリカでは浦島太郎風の昔話として有名ですね。
「リップ・ヴァン・ウィンクル」が小人に誘われて、酒を振る舞ってもらい、気持ちよく眠って起きたら数十年の時が経っていたという、まさに浦島太郎みたいな話です。
「昔々、恐妻の木樵リップ・ヴァン・ウィンクルは、愛犬と共に猟へと出て行くが、深い森の奥の方に入り込んでしまった。
 すると、リップの名を呼ぶ声が聞こえてきた。
 リップの名を呼んでいたのは、見知らぬ年老いた男。
 その男についていくと、山の奥の広場のような場所にたどり着いた。
 そこでは、不思議な男たちが九柱戯(ボウリングの原型のような玉転がしの遊び)に興じていた。
 ウィンクルは彼らにまじって愉快に酒盛りするが、酔っ払ってぐっすり眠り込んでしまう。
 ウィンクルが目覚めると、町の様子はすっかり変っており、親友はすべて年を取ってしまいアメリカは独立していた。
 そして妻は既に死去しており、恐妻から解放されたことを知る。
 彼が一眠りしているうちに世間では20年もの年が過ぎ去ってしまった」
ホント、浦島太郎の話しそのものって感じですよね。

この話しを映画「野獣死すべし」の中で、松田優作扮する伊達邦彦が、追ってきた警視庁捜査第一課 刑事柏木(室田日出男)を逆に追い詰めて、このリップ・ヴァン・ウィンクルの話しをトツトツと始める訳です。

柏木:
「リップ・ヴァン・ウィンクル。小人に、なんていう名前の酒を貰ったんだ。できれば、俺も飲んでみたいなァ…。」
伊達:
「覚えてます。ラム、コアントロ、それにレモンジュースを少々シェークするんです。わかりますか?」
柏木:「XYZ」
伊達:
「そう。これで終わりって酒だ!」

XYZというカクテルは、その名のとおりアルファベットの最後の三文字にあたるため、一緒に飲んでいる女性がこれを頼むと「あなたとはこれで終わり」という隠語になるなどの逸話もありますが、美味いものは美味いです。
こちらも、是非ご賞味ください。
最後はすっかりバーボンから外れラムに行ってしまいました。
では、次はラムのお話でも。
今回はこんな感じでおしまいです。

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コメント

  1. […] ドリザーブ などなど、おなじみのバーボンはいろいろありますが、ヴァン・ウィンクルとの出会いは、もう25年程も前でしょうか。 [紹介元] Old Rip Van Winkle Distillery :野獣死すべし […]