”ギムレットには早すぎる”
レイモンド・チャンドラーの名作『長いお別れ』の有名な一節です。
これを読んで、ついついバーでギムレットを頼んだ年配の方も多いはず。
ドライジンにコーディアルライムかライムを搾り、シェークしただけの簡単なショートカクテルですが、バーによってこれだけ味の異なるカクテルも珍しいです。
簡単なだけに、安っぽく出来上りがちで、その分だけバーテンダーの腕が試される。
そんなカクテルです。
(個人的には、甘味が低い方が好みなので、コーディアルライム少な目で、その分少しだけライムを絞って頂けると最高!)
ジンでなくラムにすれば「ラムレット」
ジンがウォッカなら「ウォッカ・ギムレット」「スレッジハンマー」
シェイクせず、氷を入れれば「ジン・ライム」(夏の暑いときにはこちらの方がいいですね)
まあ、いろんなアレンジができますが、それはさておいてフィリップ・マーロウの話しに戻りましょう。
今時マーロウみたいな男がいたら面倒くさくて大変なのかもしれませんが、心の奥底にだけはハードボイルドを抱いておくぐらいの男子が増えてもよいのではないかと思ってしまう昨今。
個人的には、先日お亡くなりになった高倉健さんがそのイメージです。(本人はお酒を嗜むことはなかったようですが。。。)
男らしさを演出するために、ちょっと背伸びをして辛口のカクテルを嗜む。
飲むシチュエーションに拘って、ちゃんと自分の世界と向き合う時間にする。
”ギムレットとはそういうもの”
『長いお別れ』は、主人公マーロウと友人レノックスとの友情と別れの物語ですが、有名な一節はそれを確かめるためのレノックスのセリフ。
そんなハードボイルドを読み耽りながら、友をバーで待つのも一興かもしれません。
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