宋名臣言行録より学ぶ!名臣の言行から学ぶ未来の国のあり方、私達の生き方!

『宋名臣言行録』は、宋代に活躍した名臣の言行を、朱子とその弟子李幼武とががまとめた中国古典の伝記集です。
『貞観政要』と並び、帝王学の二大テキストとして取り上げられることもあるほどの書物で、明治天皇や伊藤博文、他維新の名臣も愛読されたといわれているほどの名著です。
※)『貞観政要』については、以前に整理してあるので、参考にしてみてください。
 貞観政要より学ぶ!我が身を正す十思と九徳!

「前集」 10巻、「後集」 14巻 (以上朱子の著) 、「続集」8巻、「別集」 26巻、「外集」 17巻 (以上李幼武の著) から成りますが、一般に『宋名臣言行録』というと、朱熹の編した「前集」 の『五朝名臣言行録』と「後集」 の『三朝名臣言行録』の二つを指すようです。
『五朝名臣言行録』は北宋の太祖・太宗・真宗・仁宗・英宗を、『三朝名臣言行録』は神宗・哲宗・徽宗を記した、いわゆる北宋の名臣97人の言行を記録した書物です。
ちなみに、李幼武の『宋名臣言行録』は朱熹版の続編となっていますが、収録範囲は北宋末期(徽宗末期)~南宋最初期に限られるようです。
・続集(8巻):北宋末~南宋初期に活躍した政治家が中心
・別集上(13巻):北宋末から南宋前半に活躍した人々
・別集下(13巻):南宋政権確立に活躍した文武官
・外集(17巻):道学者の伝記

こうした名臣の言行をまとめた書物などを読んでいると感じるのは、今の時代の政治家や官僚の人物言行が後世に残ることなどあるのだろうか、という点です。
古典で残ってきた時代というのは、その人物の人柄なり信念なり、風格や気品、その言行というものが評価されてきたと読み取れます。
しかし、今の時代はどうでしょう。
その人物の素養を軽視し、醜聞や素行、国を動かして貰うべき人物のあら捜しや足の引っ張り合いに終始し、とても人物評論や評価を行うような上質な社会風潮とはなっていないように感じられます。
もしかしたら昔に比べて政治家や官僚も、人目ばかりを気にし、○×式のうわさや評価ばかりに気をとられずにはいられないような、とても生きにくい時代なのかもしれません。
こうなると、自ずと品位や気品からはかけ離れ、性質も低俗にならざるを得ないのでしょうが、このままだと行き詰っていくことは明白ですし、世の中が不安な方向にばかり傾いて真の大人物が望まれたとしても、そこから期待するような人物は生まれにくいのかもしれません。
どう考えても今の教育や学問というものが、画一的で平均的な働き蜂・働きアリ量産型の形態を70年近く取ってきたとしか思えないので、私は今こそそのあり方が大きく革新すべき時期にきていると感じています。
こうしたことを国や政治にだけ依存していても、その問題解決には多大な時間がかかるに違いないので、松下村塾のような市井の教育・学問活性の場が地域から広がっていくべきだと思うのです。
古典から学び、未来の国のあり方、私達の将来の生き方を考える。
そんなきっかけの一助になれれば、と考えています。

以下は、現代語訳にてまとめられていますので、参考にしてください。
五朝名臣言行録|『宋名臣言行録』