『三国志演義』第三回 温明殿に議して董卓丁原を叱し、金珠を贈って李粛呂布を説く!

 「宦官が国の大事をあやまったことは今に始まった事ではない。
  その元凶を除けばよく、諸国の兵を集めるに及ばぬ。」と曹操は言った。
 しかし、大将軍カシンはこれを聞かず密詔を飛ばした。
 十常侍は、何太后にすがり仲裁を求めた。
 そして、何太后は大将軍カシンを宮廷に参内の詔を出した。
 大将軍カシンは袁術達を連れて参内するが、一人で中にと言われ、憶することなく門をくぐった。
 十常侍張譲は董太后殺害の罪で大将軍カシンを殺害した。
 袁術達は門前で大将軍カシンが謀反の罪で殺された事を知り、待機させていた兵で宮中になだれ込み宦官を全て抹殺した。
 その中で十常侍張譲、檀渓、曹節、コウランは皇太子と陳留王を無理矢理連れ出して逃げたが追手に追いつかれてしまう。
 しかし、帝と陳留王の姿がなく兵士達は八方を捜した。
 この時、西涼の刺史董卓は大将軍カシンの密詔に従って洛陽を目指しており、その途中でこの二人を保護した。
 そして、その軍勢を率いて洛陽に入城し、わがもの顔に振る舞った。

 さらに、酒宴で今の帝を廃して陳留王を帝に立てようとした。
 皆は董卓を恐れ言葉もなかった。
 しかしそれに怒ったのは荊州の刺史丁原であった。
 董卓は従わぬ者は斬ると息巻いていたが、軍師李儒は丁原の後ろの男を見て諌めた。
 その男、呂布という。
 その場は、呂布を恐れた軍師李儒の進言によって董卓は姿を隠した。
 董卓は呂布を部下にしたいと言い、李粛は金と赤兎馬を持って説得にあたった。
 呂布は養父丁原を斬って董卓のもとに駆けつけた。
 再び、酒宴の席にて呂布と甲冑兵千人を立たせて、今の帝を廃して陳留王を帝に立てようとした。
 これに怒ったのは袁術。またも董卓は従わぬ者は斬ると怒る。

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