『三国志演義』第八回 王司徒巧みに連環の計を使い、董大師大いに鳳儀亭をさわがす!

 カイリョウの進言に劉表は、義が立たぬと言ってカンカイを送り返して孫権の屍と黄祖の交換を約束した。
 孫策は父と手厚く葬った。

 董卓は長安で孫権の死を知って胸のしこりが一つ落ちたと安心し、息子孫策の事は気にしなかった。
 暴政極まる董卓に司徒王允が館で泣いていると、我が子のように可愛がっていた歌い女貂蝉がその訳を聞いた。
 そして、貂蝉は命を捨てる覚悟をして、王允の連環の計を用いる。
 王允は自分の館に呂布を招いてもてなし、娘の貂蝉を紹介する。
 呂布は貂蝉をとても気に入り、王允は輿入れの約束をした。
 数日後、王允は呂布がいないのを見計らって今度は董卓を館に呼び、宴席を設けて貂蝉の舞を披露した。
 董卓は貂蝉を気に入り、王允は貂蝉を董卓に献上した。
 呂布がこれを知り怒って王允に問うと、
「太師様が、今日は吉日じゃ。貂蝉はわしから将軍にやろう。とおっしゃって連れて行かれました。」と答えた。
 呂布はそれに納得してその場を去った。
 その後は、董卓は貂蝉を可愛がり、政務もおろそかにする有り様。
 一方、貂蝉を取られた呂布は無念に思う。
 ある日、呂布は宮中で貂蝉に出会った。
 貂蝉は涙ながらに董卓のものにされてしまった悲しみの心を打ち明け、今でも呂布を慕っている想いを語った。
 呂布は、必ず助け出し妻とする事を約束した。
 そこへ董卓がやってきて、貂蝉と呂布の仲を見て怒る。
 呂布は慌てて逃げ出し、董卓は重い体を動かして追いかける。
 と、そこで董卓は慌ただしく駆け込んできた男とぶつかって転んだ。

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