『三国志演義』第五十八回 馬孟起兵を興して恨みを雪がんとし、曹阿瞞髪を割ちヒタタレを棄つ

さて、策を献じた男は治書侍御史陳羣。陳羣が言うに、
「劉備が西川を狙っているうちに呉を滅ぼしましょう。」
曹操もこれに同意して30万の兵を起こそうとした。
この知らせを聞いた呉では魯粛が、荊州に加勢を求めようと孫権に進言し、荊州に向かい諸葛亮に加勢を求めた。諸葛亮は、ロシュクに
「我らは兵を動かさずに曹操を止めて見せましょう。」
と言って、西涼の馬超に軍を起こす事を進める書面を送った。

馬超は馬岱から、馬騰、馬休の死を伝えられ、復讐を誓う。そこに劉備からの書面を受け取り、西涼の太守韓遂とともに馬騰の仇討ちと逆賊討伐に兵を起こした。馬超は龐徳の活躍で長安を落とした。
曹操は曹昂が大敗したのに大いに怒って自ら兵を進めた。馬超は曹操を見るなり槍をしごいて飛び出した。于禁が出て両者ぶつかり合うが、8、9合いして于禁が敗走した。これに代わってリツウが出たが数合いして一撃で突き落とされた。曹操はさらに追われ、
「長い髯の奴が曹操じゃ。」
と言われ髯を切って逃げた。
馬超は追走するが、途中曹昂とカ黄琬が立ちはだかった。馬超は一人で深入りしてはと馬を返した。
曹操は馬超が目の前に兵を集めるのを見て挟撃の体勢に入ろうとしたが、馬超に襲いかかられ許褚が奮戦して食い止めている隙に曹操は逃げ延びた。
その後、韓遂と龐徳は5万の軍勢を率いて殺到したが、落とし穴にはまり、馬超の軍勢に助けられた。
そして両軍日暮れまでもみ合って帰陣した。
その夜、馬超と韓遂は夜討ちを仕掛けようとした。

一方、曹操は敵の夜討ちを読んで伏兵を仕掛けておいた。
その夜、馬超が成宜に30騎与えて物見に行かせた。成宜は人影がないので本陣まで入り込んだ。そこに伏兵が周りを囲めば30騎だけ。カ黄琬が成宜を斬って棄てたところに馬超、龐徳、馬岱が押し寄せた。

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