干支から見る、2015年乙未の解明・啓示

干支は、占いや易の俗語と思われがちですが、本来は生命やそのエネルギーの発生・成長・収蔵の循環過程を分類・約説した経験哲学です。
干支には60の組み合わせがあることは以前にも整理しましたが、本来干支は時局の意義や自覚、覚悟といったものを、数千年の歴史と体験を学問として積み上げたものに即して、帰納的に解明・啓示したものなのです。

今回は、その干支の原理から2015年乙未の年を想定してみましょう。

Ehou-direction

【2015年乙未(きのとひつじ)】

乙について
乙は、いかに抵抗力が強くとも、それに屈せず弾力的に、雄々しくやっていくことを意味します。
乙という文字は草木の芽が曲がりくねっている象形であるため、新しい改革創造の歩は進めるけれど、まだまだ外の抵抗力が強いという意味です。
それがゆえに、いかなる抵抗や紆余曲折を経ても、それを進めていく気概を持っていかねばなりません。
今年の甲が、冬の寒さを凌いだ草木の芽が春を迎えてその殻を破り、外に尖端を出した象形ですので、“無遠慮”“緊張感を失う”ことに通じていることから、むなしく因循姑息に堕しやすいということも表しています。
それを受けて来年の乙は、甲の芽が未だ寒さや外の障害に逢って屈曲するということを表しているので、”乙々”という語源からも、ああでもないこうでもないと非常に苦労し、悩むという意味になります。
要は、今年の甲に一陽来復して冬の間陽気を待っていた芽が、来年の乙の年になって殻を破って伸び出したものの、まだ陰気が強く残っているために冷気もあり春寒が残っており、伸びた芽も歪曲し曲がってしまいがちなため、その伸び方が”乙々”としてしまう傾向にあるということです。
従って、来年(2015年)は今年からの持ち越しの旧習を打破して、新たに問題解決すべく努力を続けるべきなのですが、依然障害が強く(真っ直ぐには伸びないで)苦労しがちな情勢を明示しています。
乙は樹木をも表すため、陰気なものやジメジメしたものはよくないですし、精神も生活も政治経済もすべて陽の光を浴びてすくすくと生育していかねばなりません。
来年は、生い茂っている悪い風潮や慣例、足かせをまずは取り払い、前に進むべく努力していかなければならない年になるということです。

未について
未は上の短い”一”と”木”から成っていて、”一”は木の上層、つまり枝葉の繁栄・繁茂を表しますが、枝葉が繁茂すると暗くなることから、未を”くらい”とも読みます。
未は昧に通じますので、暗く曖昧にしてはいけない、要は”不昧”でなければならないということです。
不昧とは、
・繁茂した枝葉末節を払い落として、生々たる生命を進展させる必要があり
・いろいろな真実、法則、道というものを明らかにし
・曖昧にして見失わない
ということなんですよね。
未は元来は木の繁茂を示すものですので、きちんと協調さえ失わなければよいのです。
繁茂が過ぎて暗くなり、その実を失うと世の中が乱れることになるので、放っておくとやがては思い切った改革・革命をせねばならない事態になりかねません。
仰々しいイデオロギーだのナショナリズムだのは不要です。
単純に明るくすることや物事を不昧に持っていくことを心がけ、後ろめたい行動や言動を慎み、公明正大に事を行っていけばよい、ということです。
ですので、我々各自が観念や型にはまった紋切り型の論理に振り回されるのではなく、自らの存在・在り方を切実な問題として捉え、筋の通った行動を行うことを始めるべき年になる、ということなのです。

乙未について
こうしたことから来年の乙未は、
・いろいろと抵抗にあい
・面倒なことが生い茂り
・陰気になりがちで
・従来の勢力と新しい勢力とが衝突することになる
ので、煩わしいことやよくない事を思い切って払い落としていかねばなりません。
それを怠ると、従来の勢力が暗くなる(=昧くなる)ので、さらにその次の年(2016年)には手が付けられなくなる程面倒なことになることを予見しています。
周辺諸国においても、内乱などが起こりがちでその影響は少なからず日本にも及んでくるので、我々はとかく惑わされて軽挙妄動することなく、状況や形勢を観察しながら落ち着いて行動規範を正していかねばなりません。
一歩誤れば、辛い事態に陥りかねません。
日本人はこういったことに無頓着で軽挙妄動してしまいますが、こうした弱点をきちんと認識した上で、足元を見ながら世情に流されることなく、草木が従来の好ましい先へと伸びていくように、ひとりひとりが努力しなければなりません。
次の年(2016年)やさらにその次の年(2017年)は、内外共に多事多端でひとつの変革期になることは必須です。
算命学的な観点から見ても、2017年からは経済確立期に入る最初の年となりますので、まさに時代の分岐点となる時期です。
そういった意味でも、来年(2015年)は、我々ひとりひとりが試される年へとなっていくことが予想されます。

しっかりと参りましょう!

2015/10/4追記:
今年の振り返りと来年の見通しを整理してみましたので、参考にしてみてください。
 ”干支から見る、2016年丙申の解明・啓示、プラス(ちょっと早めの2015年乙未の振り返り) ”

以下、昨年の参考:

【2014年甲午(きのえうま)】
甲について
甲は木の陽にあたり、季節は春、方角は東を表します。
干支による甲は、ちょうど春になり新芽が古い殻から頭を出すものの、まだ余寒が厳しくて勢いよくその芽を伸ばすことができないという状態です。
本来だと旧来の殻を破って革新に進まなければならないのですが、いろいろな抵抗や妨害があるため、その困難と闘う努力をしながら慎重に伸びていかねばならない年となります。

午について
午は象形文字で、餅をつく時に使う杵(きね)の象形からきています。
交互に餅をつく想定で、陰陽の交差する十二支の第7位(午)を意味し、陽極まって陰となる夏至の時期、だんだん闇が長くなる境目を表しています。
午は火の五行で光り輝く炎が元となり灼熱の性質を表すことから、エネルギーや自然災害に注意が必要となりがちです。
また、火は燃え上がり煙が空へと登る性質があることから、大気汚染や鳥、飛行機、宇宙などに関わることがキーワードになるようです。
午年は”馬”からくるように、何かのきっかけで蹴ったり振り落としたりして大暴れしやすい年なので、国内・国際情勢なども良し悪し含めて荒れがちな傾向があります。

甲午について
こうしたことから今年の甲午は、六十干支という60年周期で巡るサイクルの中で31番目にあたるので、これまで成長してきたエネルギーが今後収束し形作られていくきっかけとなりますので注意が必要です。
甲午の年というのは、なかなか思うように物事が進まない傾向にあり、荒れがちで問題が表面化しやすい年となりがちです。

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