先日、希少なバーボンの件に触れたこともあり、今回は少しメジャーなウイスキーについてです。
「セント・オブ・ウーマン」は、昼間っからジャック・ダニエルを”ジョン”呼ばわりしてオン・ザ・ロックであおるアル・パチーノが描かれているんですが、ここでさりげなく置かれているのがジャック・ダニエル。
「ジョンじゃなくて、ジャック・ダニエルじゃない?」って突っ込みを入れたクリス・オドネルに「お前よりオレの方が付き合い長いんだぜ」って返すシーンがあるんですが、この科白。
But when you’ve known him as long as I have……
自分の息子が成人したらバーで試そうと、ずっと狙っている私です!(あと3年ちょっとだ。。。。)
実は、ジャック・ダニエルってTHIS IS AMERICA的に良く映画には登場してくる小道具ですよね。
「マディソン郡の橋」では、亡くなった母の過去の日記を読みやきりれなくなってジャック・ダニエルをストレートであおるヴィクター・スレザック。
クリント・イーストウッド繋がりですが「ガントレット」では、イーストウッド扮する刑事がいつもジャック・ダニエルを飲んでる感じ。
「氷の微笑」でマイケル・ダグラスがロックで飲んでたのもこれでしたね。
「シャイニング」で、バーテンダーにバーボンと注文したときに出てきたのもこれ。
「ストレンジャー・ザン・パラダイス」でジョン・ルーリーが大切そうに飲むのもジャック・ダニエル。
「ブルースブラザース」で孤児院の管理人がジョン・ベルーシとダン・エイクロイドに振る舞うのもジャック・ダニエル。
これは数多出てくる映画のシーンのほんの一部ですが、多分映画に出てくるバーボン・ウイスキーとしては、ジャック・ダニエルは格段に頻度が高いんじゃないでしょうか。
あの黒ラベルが、映画の背景にいい具合に合うんでしょうかね?
では、何故ジム・ビームやアーリー・タイムスでなく、ジャック・ダニエルなのかと思い、ちょっと調べてみました。
バーボンは作り方に決まりがあって、原料はとうもろこしが51%以上80%以下で、残りは大麦麦芽や小麦です。
蒸留後は新しいオーク樽での熟成が義務付けられてて、このルールを守らなければバーボンとは名乗れないとのこと。
ちなみに「バーボン」という名は、ケンタッキー州バーボン群という地名に由来しています。
現在、バーボンが作られているエリアはケンタッキー州、ペンシルバニア州、テネシー州。
前回の話しの中でも触れたように、実はバーボンの蒸留所ってとても少なくてせいぜい10ちょっとぐらいなので、多分この地域に集中的に集まっているのではないかと思われます。
そんな中、ジャック・ダニエルはテネシー州で作られているテネシーウイスキーです。
で、アメリカ人は何故ジャック・ダニエルを、ほかのバーボンとは違う扱いをしているんでしょう。
実は、ジャック・ダニエルはチャコール・メローイングという、サトウカエデの炭で濾過をして仕上げているのだそうです。
通常、バーボンは蒸留後に濾過はしません。
しかし、ジャック・ダニエルはあえてこのひと手間をかけることで独自性を打ち出し、自ら”テネシー・ウイスキー”と称して、ほかのバーボンと一線を画している訳です。
当然、お値段も他のバーボンよりも少々お高め。
こんなこだわりが、ジャック・ダニエルを粋なランクに位置付けているということです。
今回はこんな感じでおしまいです。
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