五大明王・金剛夜叉明王/烏枢沙摩明王!あらゆる穢れを浄化する仏!

密教特有の尊格である明王のうち、中心的役割を担う五大明王には不動明王、降三世明王、軍荼利明王、大威徳明王、金剛夜叉明王(または烏枢沙摩明王)がいますが、今回はそんな中から北方を守護する金剛夜叉明王(真言宗)、烏枢沙摩明王(天台宗)に注目してみます。
※)全体的な整理を行っている”日本の仏像に魅せられて”や”自分を守ってくれる守護本尊!”、”アジアンユニット 招福七福神めぐり”も参考にしてください。

金剛夜叉明王は、古代インド神話に登場するヴァジュラヤクシャ神が仏教に包括された仏であり、雷を放ち、どのような障害をも貫く聖なる力を持つ神という意味を示します。
古代インド神話においては、人を襲っては喰らう恐るべき魔神(夜叉)でしたが、仏教に帰依した後は悪人だけを喰らうようになり、ここから敵や悪を喰らい尽くして善を護る、聖なる力の神・戦勝祈願の仏として知られるようになりました。
また、不空成就如来(御釈迦様)の変化した姿で一切の悪衆生と三世(過去・現在・未来)の様々な欲望を起こす心を清め、速やかに取り除く仏です。
金剛夜叉明王は三面六臂の姿で、正面の顔は眼が5つもある特徴ある相をし、六本の手には名前の由来である金剛杵や弓矢や長剣、金剛鈴等を把持して構えている姿が一般的です。

烏枢沙摩明王は、古代インド神話に登場するウッチュシュマまたはアグニと呼ばれた炎の神であり、この世の一切の汚れを焼き尽くす功徳を持ち、不浄潔金剛や火頭金剛とも呼ばれています。
仏教に帰依した後も烈火で不浄を清浄と化す神力を持ち、日々の生活のあらゆる現実的な不浄を清める功徳があるとされています。
烏枢沙摩明王は彫像や絵巻などに残る姿が一面六臂であったり三面八臂である様々ですが、主に右足を大きく上げて片足で立った姿や蓮華の台に半跏趺坐で座る姿も有名です。
髪は火炎の勢いによって大きく逆立ち、憤怒相で全ての不浄を焼き尽くす功徳を表し、複数ある手には輪宝や弓矢などをそれぞれ把持した姿が一般的です。
特に有名な功徳としては便所の清めがあり、古くから「怨霊や悪魔の出入口」と考える思想があったことから、現実的に不潔な場所であり怨霊の侵入箇所でもあった便所を清浄な場所に変えるという信仰が今でも伝わっています。

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