二十四節気の雨水にして旧正月、そして新月!「新年の大計」の勧め!

今日(2月19日)は、二十四節気の雨水にして旧正月、かつ新月です!

雨水といえば、空から降るものが雪から雨に替わり、深く積もった雪も融け始める頃といわれています。
やがて春一番が吹き、うぐいすの鳴き声が聞こえ始め、春の気配をますます感じる頃ですね。
「陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となれば也」(暦便覧)

そして、今日は旧暦1月1日の旧正月。
古くは今日から新しい年が始まることになります。

実は旧暦では、毎月朔日(第1日目)は必ず新月なのですが、古い暦ではきちんと月の始まりを意識していたということですね。
新月は月が満ち欠けするサイクルの初日にあたり、物事の始まりを象徴しています。
いろいろなことを新たに始めたり、行動を起こしたりと、決意を新たに気持ちを切り替えてスタートを切るには絶好の日という訳です。
ましてや旧正月の新月は年に1度の特別な機会。
年に1度しかない、新しい年のはじまる日という意味でも特別な日ですね。

新年が明けて何となくダラダラしてしまったなあ、というあなたにはリセットの絶好のチャンスでもあります。
こうしたきっかけを元に、改めて新しい年として一歩を踏みだせば、きっと良い一年となることでしょう。

安岡正篤氏も『新憂樂志』の中で「新年の大計」として、次の5つの課題を立てて実行することを勧めています。

一.年頭まず自ら意気を新たにすべし
 年の初めともなると、いろいろな課題や計画をたてがちですが、それよりも大切なことは「意気を新たにする」ということです。
 その年の初心に帰り、リセットして新しい気持ちとなることで、散漫になりがちな自分自身に活を入れ、自分を奮い立たせることが肝要だということですね。

二.年頭古き悔恨を棄つべし 
 過去における「ああすればよかった、こうすればよかった」などという後悔や反省ばかりをしていても意気喪失するばかりです。
 なお、恨みを捨てるのは難しいし努力が必要ですが、恨みの心理に陥っても更に憎しみが増し、破滅以外になにももたらさない結果となりがちです。
 まずはこれまであれこれと悔いて改めたものは一旦スパッと捨て去り、新しい気持ちで出発しましょう、ということです。

三.年頭決然滞事を一掃すべし
 人はとかく物事を「まあ、まだ先でいいや」と先送りにしがちですが、これでは心までが滞って、やがてはあらゆるものを腐敗させてしまいます。
 これまでにやり残したことがあれば、いつまでも引きずらず、これを期に即片付け、心のつかえを一掃して、端然とした心境に立つことが大事だということです。

四.年頭新に一善事を発願すべし
 人や社会に対して良いことをするという発願は大切ですが、まずは自分自身にとって具体的に何かひとつ「これは!」ということを一年をかけて取り組む、という決意をすべきということです。
 他人を気にして行う善事ではなく、自分のための善事を誓って実行しましょう。

五.年頭新に一佳書を読み始むべし 
 佳書とは良い書物のことですが、このブログでも出来る限りいろいろな佳書を紹介しています。
 ここでは「佳い人、佳い山水、佳い書」という3つの佳というものを挙げています。
 佳い人には、願っていてもなかなか思うようには出会えないものですし、佳い山水(風景、環境)にもそう度々出会うことは難しいです。
 しかし、佳い書物だけは、自らの力と行動だけでいつでもいくらでも手に取ることができます。
 佳い書物とは、読むことで心身を清くし、思考や精神性を高めたり、自らの行動を鼓舞する栄養となるものです。
 今年読むべき本を決め、じっくりと読書に取り組む決意をしましょう、ということです。
 

しかも、改めての年初めということで「初夢」も(改めて)見る事ができますね。
古来では、夢には神様のお告げや今後起きる物事の前兆が現れるとも考えられていたので、年初めの「初夢」が一年の運勢を左右していたとも信じられていました。
ですので今日は、宝船や鶴、亀、松竹梅などが描かれた絵札などを枕の下に敷いて良い夢が見れるように願いながら眠ってみてはいかがですか。
縁起のいい夢は「一富士、二鷹、三茄子」と言われていますが、悪い夢を見ても枕に敷いた絵札を捨てて厄を払ってしまえばよい、というのも古来の人の知恵。
先人は、福を呼び込むためにいろいろとうまい方法を工夫していたものだと感心します。

では、今日から改めて。
今年もよろしくお願いします。

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