私達の日常を取り巻く文字の中で、普段あまり使われることがなくなってきた漢字も数多あります。
しかし、こうした漢字の中には非常に美しいものや、はっと気づかされる意外なものがあります。
手書きで文字を書く習慣もますます少なくなってきていますが、普段使用頻度の低い漢字を顧みることで、新たな再発見をして欲しい。
そんな思いで、何回かに渡って美しい漢字を整理してみたいと思います。
ふとした折にこれらの漢字を使って、センスの良さをアピールしてみる、なんてのもいかがですか。
では早速、今回は食にこだわってみたいと思います。
【朝餉】(あさげ)
・朝の食事、朝ごはん。⇔夕餉は晩ごはん。
【預鉢】(あずけばち)
・茶事にだされる懐石において、一汁三菜(飯・汁・向付・煮物・焼物)の後に鉢に盛り合わせて出す料理。
【熱燗】(あつかん)
・酒を加熱して飲むときの温度表現。50℃前後。
【羹】(あつもの)
・ 魚・鳥の肉や野菜を入れた熱い吸い物。
【御節】(おせち)
・正月用の料理。節日(節句)に作られる料理。
【潮仕立て】(うしおじたて)
・蛤や鯛のあらなどを煮出し、塩で調味した汁。潮汁ともいう。
【御御御付け】(おみおつけ)
・本膳の飯に並べてつけるお味噌汁を丁寧にいう言葉。
【佳肴】(かこう)
・- うまい酒のさかな。おいしい料理。
【火酒】(かしゅ)
・ウオツカ・ブランデー・焼酎などのアルコール分が多い蒸留酒。
【割烹】(かっぽう)
・食べ物を調理すること。
江戸料理に対して、上方の料理を「割烹」と呼んだことから、江戸後期になって主に高級料理が割烹と呼ばれるようになった。
【吟醸酒】(ぎんじょうしゅ)
・ 米、米麹、醸造アルコール、水を原材料に作られた日本酒。原料米の精米歩合が60%以下。
【葛仕立て】(くずじたて)
・溶いた葛粉を加えてとろみをつけたもの。
【鯨飲】(げいいん)
・鯨のように多量の酒を飲み、馬のように多量の物を食べること。牛飲馬食。
【麹】(こうじ)
・米、麦、大豆などの穀物にコウジカビなどの食品発酵に有効なカビを中心にした微生物を繁殖させたもの。
【午餐】(ごさん)
・昼の食事をとること。昼食。
【小半ら酒】(こなからざけ)
・ 二合半の酒。また,わずかばかりの酒。
【酒粕、酒糟】(さけかす)
・日本酒などのもろみを、圧搾した後に残る白色の固形物のこと。
【酒林】(さかばやし)
・日本酒の造り酒屋などの軒先に緑の杉玉を吊すことで、新酒が出来たことを知らせる役割を果たす。
【強肴】(しいざかな)
・茶事にだされる懐石において、一汁三菜(飯・汁・向付・煮物・焼物)の後に出す酒のさかな。
強肴は、「進肴」(すすめざかな)、「追肴」(おいざかな)、「強肴」(しいざかな)、預鉢(あずけばち)、「進鉢」(すすめばち)ともいう。
【三鞭酒】(シャンパン)
・フランスのシャンパーニュ地方特産の発泡ワイン。
【酒肴】(しゅこう)
・酒と、酒のさかな。酒と料理。
【酒盞】(しゅさん)
・さかずき。酒杯。
【糝薯・真薯】(しんじょ)
・魚をすりつぶし、すったヤマノイモを加えて調味し、蒸したり揚げたりゆでたりした練り物。
【正餐】(せいさん)
・西洋料理で正式の献立による食事。
【炊合・焚合】(たきあわせ)
・魚・肉・野菜などの材料を別々に煮て,一つの器に盛り合わせたもの。いわゆる煮物。
【茶巾絞り】(ちゃきんしぼり)
・あん状の材料を布巾などで包んでひねり、絞り目をつけた菓子など。
【杜氏】(とうじ)
・日本酒の醸造工程を行う職人集団、すなわち蔵人の監督者であり、なおかつ酒蔵の最高製造責任者。
【屠蘇】(とそ)
・屠蘇とは、屠蘇散を酒や味醂に浸したもの。一年の邪気をはらい、延命長寿を願って飲む薬酒。屠蘇酒。御屠蘇(おとそ)。
【濁酒】(どぶろく・にごりざけ)
・発酵させただけの白く濁った酒。もろみ酒、濁り酒。
【鱠、膾】(なます)
・野菜を細かく刻んで、酢や魚肉で和えた料理。
【箸洗】(はじあらい)
・会席献立で、料理の間に口改めのため小さな器で出される、あっさりした吸い物。
【八寸】(はっすん)
・茶事にだされる懐石において、一汁三菜(飯・汁・向付・煮物・焼物)に加えて出される酒のさかな。
【日向燗】(ひなたかん)
・酒を加熱して飲むときの温度表現。30℃前後。
【飛竜頭】(ひりょうず)
・粳米と糯米の粉、ないしは豆腐を混ぜて練り、油で揚げた食品。がんもどき。
【鰭酒】(ひれざけ)
・食用魚の鰭(ひれ)をあぶり焼いて、燗酒にいれたもの。
【味醂】(みりん)
・ 焼酎を原料としてつくる日本固有の酒の一種で調味料。
【向付】(むこうづけ)
・茶事にだされる懐石において、膳の中央より向こう側につける刺身や酢の物などの料理。(一汁三菜のひとつ)
【自棄酒】(やけざけ)
・やけになって前後の見さかいもなく飲む酒。
【山廃】(やまはい)
・日本酒の作り方の一つ。生酛(きもと)仕込みの一つ。 山卸廃止酛の略。
【湯桶】(ゆとう)
・茶事にだされる懐石において、湯の子(おこげ)などを入れる容器。