『三国志演義』第三十二回 冀州を奪って袁尚鋒を争い、ショウ河を決して許攸計を献ず

三男の袁紹は、他の軍勢が着くのを待たずに討って出て、張遼に大敗した。これを知った袁紹は驚き、血を吐いて倒れ、世継ぎを三男の
袁紹に定めて息絶えた。
三男の袁紹の命で長男の袁譚は曹操と対峙するが大敗してしまう。袁紹に援軍を要請するが、わずか五千騎が向かっただけであり、しかも着く前に討たれてしまったので大いに怒って逢紀を援軍の使者に出した。袁紹は袁譚が曹操を討った後、力を持つことを恐れ援軍を出さなかった。使者がこれを袁譚に伝えると怒って逢紀の首を打ち曹操に降ることを言うと、今度は袁紹が驚いて呂賢と呂翔に兵三万を与えて出陣した。しかし、曹操に大敗し篭城した。
郭嘉は、曹操に「袁紹は長子袁譚を廃し末子袁紹を跡取りとしたため、今すぐ攻めれば結束しますが放っておけば兄弟の仲が割れましょう。」
と進言した。曹操は曹昂に官渡を固めさせて、自ら荊州に向かった。

袁紹と袁譚はともに仲違いを始め、袁譚は辛評の弟シンピを曹操の所に使いに出した。荊州に向かった曹操は、すぐさま兵を退いて袁紹を討ちに向かった。まず、審配が守る城を許攸の水攻め策で落とした。降ろうとしない審配を処刑するが曹操はその忠義に感じて城の北に葬らせた。

この時、曹操の長子、曹丕は袁紹の館に乗り込んでいた。館の奥
の部屋には二人の女が抱き合って泣いており、剣を向けられている。

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