This is ” KABUKI ” ( ノ゚Д゚) もっと歌舞伎を楽しもう!(37) 歌舞伎十八番・蛇柳

歌舞伎は世界に誇る、日本の伝統芸能です。
しかし、元々400年前に登場したときには、大衆を喜ばせるための一大エンターテイメントだったのです。
なんとなく難しそうなので、ということで敬遠されている方も多いのかもしれませんが、そもそもは庶民の娯楽だったもの。
一度観てみれば、華やかで心ときめく驚きと感動の世界が広がっているのです。
しかも歌舞伎は、単に400年もの間、ただただ伝統を受け継いできただけではありません。
時代に呼応して常に変化し、発展・進化してきているのです。

This is ” KABUKI ” ( ノ゚Д゚) もっと歌舞伎を楽しもう!(4) 演目の分類と一覧について
前回は歌舞伎の演目をざっと整理してみましたので、ここからは具体的な演目の内容について触れてみましょう。
今回は、歌舞伎十八番の中から『蛇柳』です。

丹波の助太郎という愚か者に、失恋の末に死んだ娘の亡魂が乗り移り、嫉妬の荒れを見せるといった内容です。
蛇柳は高野山の麓にある柳で、弘法大師の法力を以って蛇を千年の緑を保つ柳とされ、女人禁制の寺ゆえに男に捨てられた女の怨念がこもるのを蛇に通わせて生まれたという伝承を背景にしています。

「京鹿子娘道成寺」にも出てくる「清姫」の霊が、丹波の助太郎という道化役に乗り移って暴れまるのですが、この暴れる様子が見どころです。
天明四年(1784)に、男の霊と女の霊が合体して男踊りとお姫様の踊りを交互にするという趣向の「双面水照月」という所作が作られました。
この「蛇柳」も、立役であった団十郎が「道成寺」風の所作をやるために作った踊りといわれtげいます。

近代になって五代目市川三升は上演の絶えていた歌舞伎十八番の復活を志し、『解脱』、『嫐』、『七つ面』など次々に上演しましたが、この『蛇柳』は上演するための材料の乏しさからか、なかなか手をつけずにいました。
後に三升は昭和22年(1947年)の東京劇場で、川尻清潭の脚本により『蛇柳』を上演したものの、この時は悪七兵衛景清が平家の重宝である青山の琵琶を求めて高野山の蛇柳を訪れ、その根もとに琵琶があると見て伐ろうとすると、蛇柳の精が現れ景清と争うという内容で、全く新しく創作されたものであったそうです。
以来、『蛇柳』は久しく舞台に取り上げられることはありませんでしたが、平成25年(2013年)8月にシアターコクーンにて十一代目市川海老蔵が松岡亮の脚本、藤間勘十郎の演出により内容を新たにし、舞踊劇として上演しています。

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