前回の続きです。
もう少し具体的なアイデアに展開してみますね。
40台に入ってからは、若い頃には見向きもしなかった日本古来の伝統や建築物などに自然と親しみを感じるようになってきました。
最近では、実際にその場を訪れて拝見させて頂くと、なかなか修繕・修復が行き届かずに朽ちかけ始めているようなものも目に付くようになってきました。
”あー、何とかできないものかな”と思いますし、そのための修繕寄付や寄進を募っているとついつい足を止めざるを得ません。
でも、そんな微々たる所作も実際には焼石に水でしかなく、根本的な解決には全然力が足りないことを実感していまいます。
私ごときがそういった想いを抱くのですから、当事者である神社・寺院や各種建築物の所有者、管理当事者にとっては切実な問題なのだと思います。
国や地方自治体の助成だけでなんとか維持するには限度もありますし、日本全国津々浦々にまでそういった支援が行き届いている訳もありません。
従って、これにはもっと民間レベルでのビジネスサイドの切り替えが必要な時期に来ているのだと実感するのです。
前置きが長くなりましたが、今回はお守り要素の強い神様、仏様をビジネス化するアイデアです。
このきっかけは、神様、仏様には著作権がないということです。
(いや、違う、ということであれば、ご指摘を!)
ミッキーマウスやドラえもんのキャラクターを商品化するには著作権という縛りが出てきますが、お賽銭をあげて手を合わせる神様、仏様にはそういった縛りがないことが、この発想の発端です。
まあ、各種で意匠登録しているものも多々ありますが、そういった個別のレベルではなくもう少し大きい枠組みでのアイデアでみてみたいと思います。
例えば、キリストが描かれている最後の晩餐を模造して勝手に販売するのはNGですが、キリスト像を新たに作って売るのは問題ありませんよね。
石工がお地蔵様を掘って店先で販売しても著作権料を請求されませんよね、この観点での発想です。
そのためにも、まずは神様、仏様をもっとわかりやすく体系化して、きちんと分類・整理する必要があります
その整理ができたら、誰にでもわかりやすいようにキャラクター化する。
要は、神様、仏様をちゃんと性格付けして、親しみがわく存在としてしまう訳です。
例えば私なら、仏法を守護する八部衆が古代インドの神様と習合しているために非常に興味を持っており、また好ましい神様達になります。
天衆、龍衆、夜叉衆、阿修羅衆、乾闥婆衆、迦楼羅衆、緊那羅衆、摩こ羅伽衆という形でわかれているんですが、例えば後者だけでも仮にキャラクターしてしまえば、
阿修羅衆 シュラちゃん 荒くれだけど実は気が優しい。愛情表現が下手だがいい奴。
乾闥婆衆 ケンちゃん アロマ好きできれい好き。実はすんげえ呑兵衛。
迦楼羅衆 カルちゃん いつもフラフラしているが結構目配り上手。意外とグルメ。
緊那羅衆 キンちゃん 美声が売りのツンデレ。超美形だが、周囲に外見だけで判断されていることに悩む。
摩こ羅伽衆 マコちゃん キンちゃんとユニットを組むミュージシャン。ブサイクと思ってるが実はイケメン。
ってな具合になる訳です。
(そもそもこの発想は、中国において”阿”の文字は名の接頭辞(日本でいう”~ちゃん”)になるため、阿修羅は”修羅”と呼ばれているところからきているのです。
ですので、日本風に言えば阿修羅は修羅ちゃんってことになりますし、ね)
また、この八部衆と四天王に仕える八部鬼衆とは実際には異なるので、そこはグループ化するなりして、ちゃんと体系化させ、それぞれがきちんと成り立つような仕掛けを施せばいいだけです。
こういった仕掛けや、キャラクターがクロスしていけばいく程ストーリーとしては幅を広けていくことができます。
しかもAKBやEXILEの比ではないくらいの特徴を持った神仏がわんさといるのですから、これをもう少し身近な形でキャラクター化しない手はないんです。
この数年で武将ブームが盛り上がってますが、これも(ゲームが発端になって)きちんとキャラクター化ができていることがその背景にあります。
このキャラクター化がうまく行っているおかげで、人は自分の好みの武将それぞれに親しみや憧れを持つことができ、結果そこから派生したグッズや物販類を買う購買意識が生まれている訳です。
一旦キャラクター化に成功すればその裾野は膨大ですので、次はグッズなどにどう転化していくか、という2次アイデアに転化していけばよいだけです。
・お守り
・シール、ストラップ
・文具類
・フィギュア
・書籍、雑誌、アニメ
・お菓子、玩具
・etc.
数多ありますよね。
今もそれぞれの観光地にいけばその場その場で固有の品々は購入できますが、それをもう少し全国規模の統一したキャラクターに転化することで、地域発信の広範な販売戦略へと発展させることができるのでは、と考える訳です。
肝はその収益を定常化し、建造物や仏像などの修繕・修復に充てて、購入的な維持管理の仕組みを作り上げてしまうことです。
その仕組みさえ構築できてしまえば、史跡、名勝やそれに関わる多くの神社・寺院を未来永劫大切に残していける道筋になるはずです。
本格的な神仏ブームにしたいものですね。
この類のアイデアは、単なる利潤追求ではなく、文化遺産をきちんと維持・管理していくための資金調達の仕組み化の発想です。
私自身、非常に親しみが持てる領域なので、キャラクター化もストーリー化も幾らでも湧いてきます。
いかがでしょう?
本腰入れてやってみようと方がいれば、もっと具体的に落とし込んだアイデアをご提供しますよ。