九星気学 事始め

九星気学は、陰陽五行説を基礎とするとともに、洛書も基礎としています。

”洛書”は中国夏王朝の時代、夏の禹(う)王が洪水を治めたとき、洛水(らくすい)という川から現れた神亀の背中にあったという文様で、その文様が縦横斜めそれぞれに加算しても15となる不思議な文様だったため、伝え広められたといわれています。
禹はこれにもとづいて書経”洪範九疇(こうはんきゅうちゅう)”を作ったといわれています。

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洪範九疇”は、中国古代の伝説上、夏の禹が天帝から授けられたという天地の大法で、これまでの説明で出てきた五行を含んでおり、以下の内容から成り立っています。
 五行 – 水・火・木・金・土
 五事 – 貌・言・視・聴・思
 八政 – 食・貨・祀・司空・司徒・司寇・賓・師
 五紀 – 歳・月・日・星辰・暦数
 皇極
 三徳 – 正直・剛克・柔克
 稽疑 – 卜筮
 庶徴 – 休徴・咎徴
 五福・六極 – 寿・富・康寧・攸好德・考終命、凶短折・疾・憂・貧・悪・弱

一般には”河図洛書”(略して図書)といわれますが、”河図”は伏羲(ふっき)の世に、黄河から現れた竜馬の背のうず巻いた毛の形を写したという図のことで、易の八卦(はっか)の基になったと言われています。(易は、また別のところでご説明致します)

そこで九星気学に話しを戻しますが、九星の1から9までの数字は洛書方陣の配置に則っており、各数字に意味付けられた方位を受け継いでおり、さらに五行に振り分けられています。

洛書方陣を理解するには、まず”参天両地”という古代中国の人々の考えを理解する必要があります。
「参」すなわち3が天で、「両」すなわち2が地ということです。
これは古代中国では、天は昼夜間断なく運行を続ける「陽」の存在とし、地は不動磐石の「陰」の存在として捉えられていたことから由来しています。
陰陽説に従うと、天には奇数が属し、地には偶数が属することになります。
奇数としてまず思い浮かぶのは1ですが、1に1を掛けても割っても1になってしまうため、「3」を奇数の基本数としました。
当時、天の象徴は円と考えられており、円直径の約3倍が円周であることから3を基本数としたとも言われています。
偶数の基本数は、最初の偶数2をそのまま採用しました。

そこで、洛書の数字の配置の成り立ち奇数の基本数である「3」は東に配置されました。
”易経”の影響により、万物を支配する帝は東から始まると考えられたからです。
陽の基本数3に3を掛けて、陽の方向すなわち「右回り」に進んで数字を配置していきます、南は9ですね。
9に3を掛けると27になるのですが、2桁になった場合には10の位は取り除きますので、西は7となります。
最後に7に3を掛けて21となり、10の位を取って北を1とします。
これで、方位術では”四正”と呼ぶ東西南北の数字の配置が決まりました。

次に、偶数偶数の気本数である「2」は南西に配置されました。
”易経”の影響により、万物を養う地は南西から始まると考えられたからです。
陰の基本数2に2を掛けて、陰の方向すなわち「左回り」に進んで数字を配置していきます、南東は4です。
4に2を掛けて8となるので、北東は8です。
最後に8に2を掛けて16となるのですが、これも2桁になった場合には10の位は取り除きますので、北西は1となります。
これで、方位術では”四隅”と呼ばれる北東・南西・南東・北西の数字の配置が決まりました。

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ここまでの準備ができて、ようやく九星気学の説明になります。

○一白の北:寒いので、冷たい水へ属し、一白水星となります。
○九紫の南:暑いので、熱い火へ属し、九紫火星となります。
○三碧の東:太陽が昇る方位です。若々しく生命力溢れる木に属し、三碧木星となります。
○四緑の南東:太陽がさらに昇って勢いを増す方位です。三碧とともに太陽の勢いが増し活力のみなぎる方位であるため木に属し、四緑木星となります。
○二黒の南東:南中した太陽が傾いて陽が陰り始める変化の激しい方位です。万物を産み出し育むと同時に朽ちさせ滅する効果をもつ土に属し、二黒土星なります。
○八白の北東:暗闇から暁へ転じる変化の激しい方位です。二黒と共に変化の大きな方位であるため土に属し、八白土星となります。
○七赤の西:太陽の沈む方位です。輝く金に属し、七赤金星となります。
○六白の北西:太陽が闇に沈む前に燦々と輝く方位です。七赤とともに強烈な輝きを有する方位で金に属し、六白金星となります。
○五黄:陰陽のすべてを含む中央です。暗い体内から光る世界に産み出され、生を終えて闇にもどる性質を持つため土に属し、五黄土星となります。

これで九星の配置が決まりました。九星気学の始まりです。
1から9までの九星のそれぞれの星は、振り分けられた「木、火、土、金、水」の性質を有し、他の星との相性は、五行説の相生・相剋の関係により決まっていきます。
ここまで来て、漸く年末年始になると馴染みのある”九星気学”となる訳です。
相性や運勢に関する読み方、具体的な内容については、また別の機会に説明させて頂きます。

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