先日鬼谷子について触れた際に、縦横家だというお話しをしましたが、そもそも縦横家という言葉が聞きなれないと思いますので、改めて整理しておきます。
鬼谷子より学ぶ!他人を説得する方法!
中国の春秋戦国時代に活躍した戦略家というと、「孫子の兵法」などでも良く知られている兵家があるかと思います。
一方、時勢を察して巧みに謀をめぐらす(外交)政策のことを「合従連衡」といいますが、その提唱者である張儀や蘇秦、そして彼らが師事した鬼谷子を縦横家といいます。
縦横家は、天下を舞台にする権謀術数の知恵者で、政治、経済、歴史、地理、風俗習慣、人物から自然に至るあらゆるものに通じており、人を意のままにあやつると言われる程神秘化した存在でした。
というのも、縦線<南北>と横線<東西>で物事を考え、人の運勢や国の進退を見極め、当時最高の科学的学問・算命学を用いていたためです。
兵家が軍の進退を考えた「戦略」に対して、縦横家は国全体の進退を考えた「軍略」として区別されていたことからも、算命学のアプローチの規模が広範であったことが想像できるかと思います。
そして、この学問は春秋戦国時代を終わらせ中国を統一した秦の始皇帝により門外不出、一子相伝の学問として保護され、歴代の王朝に受け継がれました。
そもそも、今から3,600年前の中国、殷王朝時代には既に六十干支※)が「暦」として使用されており、それを元にした干支暦は日本でも明治の初めまで使われていました。
※)六十干支については、以下も参考にしてください。
・陰陽五行説 万象学って何?
・算命術 十六元法事始め。
この六十干支の干(十干※)は「空間」を表し、支(十二支※)は「時間」を表しています。
※)十干十二支については、以下も参考にしてください。
・陰陽五行 八方、十干十二支を整理すると。
そして縦横家は、縦線=空間、横線=時間と考え、暦は時間だけではなく空間の変化でもあると考えました。
そもそも東洋の発想は人の存在に立脚した時間観念であり、人の生命が有限だからこそ時間に価値があり人生に役割があると捉えていた訳です。
そして、誕生時の時間と空間(六十干支)で人の役割が決まることや、時間(年・月・日)の経過に伴い好調と不調が周期的に巡る法則があることなどを発見しました。
こうした考え方を応用・発展させた算命学では、基本線に人間は平等、役割に上下があるという思考方法を取ります。
常に縦横の交点を自分に置いて考え、残りの4方向(東・西・南・北)に意味を持たせ、原理原則を説明する思考法を取ります。
こうした話しは、軍略の整理の中でも触れていますので、参考にしてください。
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算命学では、全ての事象を縦横思考で積み重ねて行きますし、礼記や論語などと違ってしなければならないという戒律的な強制はない反面、自力本願の自力運であり、それを実践するのも自己責任なのです。
こうした考えに基づく軍略をマスターし応用する事で、理路整然と物事を説明・判断し、結果的には意のままに人の心を操る事も可能だったのかもしれません。
古典に学ぶことは、政治・経済・地理・自然・習慣等のあらゆる学に通じる道を構築することです。
何を学び取り実践するか、熟慮して参りましょう。
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