前回の易経の整理に続き、少しずつ具体的な占術の中身に入っていこうと思います。
そもそも易経では本体の
・”経”(狭義の”易経”。”上経”と”下経”に分かれる)
・”経”を注釈・解説する10部の”伝”(”易伝”または”十翼”)
からなります。
”経”には、六十四卦のそれぞれについて、
・卦象・図像,卦画像
・卦辞・卦の全体的な意味の記述
・爻辞・卦を構成している6本の爻位(こうい)の意味の説明
とが、整理されています。
また六十四卦の卦辞や爻辞を調べる場合、六十四卦の並べ方のままでは不便なため、六十四卦を上下にわけて小成八卦の組み合わせによって整理されるようになっています。
なお、易経を行うにあたっては
・再筮はNG。答えが気にいらないといって繰り返しても正しい答えにならない。
・占機を大事にすること。要は占おうと思った瞬間が占いであり、この機会を逃すと本来の結果が得られ難い。
という決まりがありますので、ご注意ください。
では、前回挙げたコインを使っての占い方を整理してみましょう。
【6枚のコインで占う方法】
2種類のコインをそれぞれ、5枚、1枚で用意します。
(ここでは10円玉5枚と100円玉1枚で説明します)
計6枚のコインを混ぜ、占的を念じながら無心に振ります。
その後コインを一枚ずつ取り出し、下から順に上へ並べます。
コインの表は陽、裏は陰とし、100円玉は爻として、大成卦を求めます。
大成卦は、下から並べられている順に、
・1回目、2回目、3回目を下卦、
・4回目、5回目、6回目を上卦、
とします。
【3枚のコインで占う方法】
1種類のコインを3枚用意します。
(ここでは100円玉3枚で説明します)
3枚のコインを混ぜ、占的を念じながらコインを投げます。
3枚とも裏ならば老陽、
2枚が裏で1枚が表ならば少陰、
2枚が表で1枚が裏ならば少陽、
3枚とも表ならば老陰、
老陽か老陰が出た場合には、爻となります。
この行為を6回繰り返して下から順に上へ並べ、大成卦を求めます。
大成卦は、下から並べられている順に、
・1回目、2回目、3回目を下卦、
・4回目、5回目、6回目を上卦、
とします。
【占い結果を読む見方】
コインで占うことで、六十四卦のいずれかが選ばれます。
爻は、易の卦を構成する基本記号で長い横棒(─)と真ん中が途切れた2つの短い横棒(–)の2種類があり、前者を陽、後者を陰として読みます。
本卦の解説(=卦辞)は7割程度、爻の解説(=爻辞)は3割ぐらいの比率で読んでいけば良いとされています。
ちなみに3枚のコインで占う方法ですと、爻がない場合や爻が複数出てくる場合があるので、その場合には本卦の解説(=卦辞)のみを読むというのが正しいようです。
以上で、今の自分に対する答えとなります。
次に、之卦を読みます。
爻の付いているものを、陰であれば陽に、陽であれば陰とします。
同じように、本卦の解説(=卦辞)は7割程度、爻の解説(=爻辞)は3割ぐらいの比率で読んでいけば良いとされています。
之卦は、今後の展開を暗示する内容です。
更に3枚のコインで占った場合には、互卦、裏卦、賓卦を読むことができます。
互卦は、本卦の2番目、3番目、4番目を下卦、3番目、4番目、5番目を上卦として読むことで、現実を解決するひとつの手がかりや伏されている事情、介在するものや状態、内部事情、時間的な進捗状況を示すものです。
裏卦は本卦の陰陽をそっくり裏返して読むことができます。
裏に含まれている動きや生活し、隠されている本心を安段するものです。
賓卦は本卦の上下の並びを180度逆転して並び替えたものです。
物事を相手側から見た場合の状況を示すものです。
では、次回から実際に読んでみましょう。
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