讖緯説は、国家の前途を予言するもの!その使い道とは?

讖緯(しんい)説とは中国の漢代の末から盛んになった思想で、歴史や政治上の変革を占星術や暦学の知識によって解釈し予言しようとする説です。
儒教の経典である経書に付託した予言の書の一つが緯書で、讖緯の説、讖緯思想、図讖ともいわれています。
考え方ですが、
・辛酉の年を基点として、
・干支が一巡する60年を一元、21元を一蔀(1260年)とし、
・一元毎の甲子の年、戊辰の年、辛酉の年には変革が起き(三革説といいます)
・一蔀毎に国家に大変革が訪れる
というものです。
601年(推古天皇)が辛酉の年にあたっているから、これより逆算して1260年(要は一蔀です)遡った紀元前660年をもって神武天皇の即位元年(辛酉)とし、それ以後の事件を時代にはめて歴史書としての体裁を整えたもので、後に編纂された「日本書紀」の紀年もこのとき採用した紀年法が元になっているといわれています。
平安初期・三善清行の上奏により辛酉に当たる901年を延喜と改元して後は明治時代になるまで、ほとんどの辛酉の年には歴代改元がありました。

直近の甲子の年には、下関戦争や禁門の変、池田屋事件、第一次世界大戦
戊辰の年には、明治維新や戊辰戦争、張作霖爆殺事件、済南事件
などが起きています。

甲子AD1864年 元治元年
戊辰AD1868年 明治元年
辛酉AD1921年 大正10年
甲子AD1924年 大正13年
戊辰AD1928年 昭和03年
辛酉AD1981年 昭和56年
甲子AD1984年 昭和59年
戊辰AD1988年 昭和63年
辛酉AD2041年 平成53年
甲子AD2044年 平成56年
戊辰AD2048年 平成60年

日本の次の三革の時期には、算命学の観点から見ても時代遷移地図の二順目、最後の権力期にあたりますので、ここでまた大きな国家な大変革が訪れる可能性があります。

ちなみに、日本で最初に制定された元号は大化(645年~)ですが、平成はそこから数えて247回目の改元となります。
元号は四書五経の五経の字句から採用されることが多いようで、
・明治:易経の「聖人南面して天下に聴き、明にむかいて治むる」から
・大正:易経の「大いに享すに正を以てす、天の道なり」から
・昭和:書経の「百姓昭明なり、万邦を協和せしむ」から
・平成:書経の「地平らかに天成り、六府三事、允に治まる」と史記の「内平らかに外成る」から
採られているとのことです。