門松!歳神様を迎え入れるための依り代!

お正月に家の門の前などに立てられる「門松」。

「門松」は松飾りとも言われるように、「祀る」につながる樹木・松を使用しますが、平安時代には”常緑の松は神が宿る木”とされ、神様をお待ちするのにふさわしいと考えられていたことから松が使われるようになりました。
また、古神道※)の由来の民間信仰・神道では木のこずえに神が宿ると考えられていたこともあり、「門松」は歳神様を家に迎え入れるための依り代という意味があります。
※)古神道については、以前に整理したものがありますので、参考にしてください。
 ・神道 日本の伝統と倫理観
 ・神様って何? その1(自然信仰)
 ・神道、仏教、儒教 事始め

そもそも「松の内」という言葉があり、年始の挨拶や年賀状のやりとり、初詣をするのも「松の内」とされていますが、これは
「門松」を飾っておく期間(=歳神様がいらっしゃる期間)を表します。
ちなみに、「松の内」は元々1月15日まででしたが、今では1月7日までというのが一般的ですね。

そんな「門松」に代表される依り代。
依代、憑り代、憑代とも書きますが、神霊が依り憑く(よりつく)対象物や神体、神域を指すものです。
初詣に行かれると神社のご神木に注連縄が張られていますが、あれは依り代であることを示しているのです。
元々古神道は自然崇拝に基づいていますが、それはあらゆる物に神・精霊や魂などのマナ(太陽、山河、森林、海などから来る外来魂)が宿るという考え方です。
マナは、石や岩、木といったものに憑くため、こうしたものに注連縄が張られ祀られているという訳です。

正月に依り代とする「門松」を飾り、歳神様(年神様、お正月様、若年様、歳徳神)を家にお招きして感謝の気持ちを表すのが古来からの風習。
そのため、神前には神酒や鏡餅、白米、かち栗、干柿、昆布、するめ、海老などを供えます。
歳神様は元々白髪の福相の老人だと考えられ、今でも若者が白髪の老人に扮して、大晦日の夜、家々をまわって子供達を訪れ、お年玉として餅を与える風習の残っている地方もあるそうです。

こうした風習も随分と少なくなりましたが、一年をリセットし心身ともに新たな年を迎える気持ちはいつまでも変わりません。
今年も昨年以上に良い一年でありますように。

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