四天王天である帝釈天に仕える持国天・増長天・広目天・多聞天（毘沙門天）は、四天王※）と呼ばれ、それぞれが東・西・南・北の四方四洲を守護していますが、今回はそんな中から西方を守護する広目天に注目してみます。
※）全体的な整理を行っている”日本の仏像に魅せられて”や”自分を守ってくれる守護本尊！”、”アジアンユニット 招福七福神めぐり”も参考にしてください。
広目天（梵名ヴィルーパークシャ）は、 広く世間を見渡し、無量の寿命を与える無病息災の仏で諸龍王や富単那を配下とし、四天王として西方を護る守護神として仏堂内では本尊の向かって左後方に安置さています。
毘楼博叉天として二十八部衆にも位置づけられています。
梵名のヴィルーパークシャとは本来サンスクリット語で「種々の眼をした者」あるいは「不格好な眼をした者」という意味で、そこから「尋常でない眼、特殊な力を持った眼」さらに千里眼と拡大解釈され、広目と名づけられています。
革製の甲冑を身に着けた唐代の武将風の姿で表され、片手に三鈷戟、もう片方の手は拳にして腰に置く姿が一般的で、中国の民間信仰においては赤い顔で竜を持った姿で表されています。
元々はインド神話に登場する雷神インドラ（帝釈天）の配下で、古代インドの世界観で地球上にあるとされた4つの大陸のうち西贍部洲を守護していましたが、後に仏教に守護神として取り入れられ、仏の住む世界を支える須弥山の4方向を護る四天王の1人として西瑠璃埵に住み、西の方角を守護しています。
