人類の歴史に大きな影響を齎した本で、古代から現代までの知の饗宴を楽しみましょ その5

”古代から現代までの知の饗宴。
 孔子、プラトンからアインシュタイン、ケインズまで、人類の歴史に大きな影響をもたらした世界の名著100冊を、縦横無尽に論じた驚嘆のブックガイド。”
といううたい文句を冠に沿えた、「人類の歴史に大きな影響を与えた」という観点でマーティン・セイモア・スミスが選んだ人文学の入門ガイド本『世界を変えた100冊』。
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ここでは、マーティン・セイモア・スミスが選んだそれぞれの本について触れてみたいと思います。
今回は、その第五弾。

41 The First Folio [Works] – William Shakespeare 1623
ウィリアム・シェイクスピア著、ファースト・フォリオ(最初の全集) 

ファースト・フォリオ (First Folio) は、シェイクスピアの戯曲をまとめて出版した最初の作品集。正式な題は「ウィリアム・シェイクスピアの喜劇、史劇、悲劇」(”Mr. William Shakespeares Comedies, Histories & Tragedies”)。当時の価格は1ポンド(今日の95-100ポンド、170-190USドル)。
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41+ Theory of the Circulation of the Blood – William Harvey 1628
ウイリアム・ハーベー著、血液循環の原理

血液循環説(theory of the circulation of the blood)とは、1628年にウイリアム・ハーベーによって唱えられた「血液は心臓から出て、動脈経由で身体の各部を経て、静脈経由で再び心臓へ戻る」という説。

42 Dialogue Concerning Two New Chief World Systems – Galileo Galilei 1632
ガリレオ ガリレイ著、天文対話

地動説論証のためにガリレオ(1564-1642)が直面しなければならなかった様々なスコラ学体系の難関・障壁と、それがいかにして突破されたかが如実に示されている、コペルニクス体系の基礎を解明し、同時に新しい科学方法論を確立した不朽の名著にして、近代科学の黎明を告げる大著、科学革命の宣言書。
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43 Discourse on Method – Rene Descartes 1637
ルネ・デカルト著、方法序説

『方法序説』(方法叙説とも)は、1637年に公刊されたフランスの哲学者、ルネ・デカルトの著書であり、原題は《Discours de la méthode pour bien conduire sa raison, et chercher la vérité dans les sciences》で、「理性を正しく導き、もろもろの知識の中に真理を探究するための方法序説」である。
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44 Leviathan – Thomas Hobbes 1651
トマス・ホッブズ著、リヴァイアサン

『リヴァイアサン』(Leviathan)は、1651年に発行されたトマス・ホッブズが著した政治哲学書。
題名は旧約聖書(ヨブ記)に登場する海の怪物レヴィアタンの名前から取られた。正式な題名は”Leviathan or the matter, forme and power of a common-wealth ecclesiasticall and civil”(リヴァイアサン – あるいは教会的及び市民的なコモンウェルスの素材、形体、及び権力)。
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44+ The Sceptical Chymist – Robert Boyle 1661
ロバート・ボイル著、懐疑な化学者

イギリスの化学者ボイルの著書で、錬金術の時代から近代化学への過渡期にあって、化学変化を科学的に扱う方法を示した記念碑的な書物である。
ガリレイの著書『新科学対話』に倣い、ボイルの見解を代弁するカルネアデスと、医化学派の三原質説やアリストテレスの四元素説にたつ化学者たちとの対話形式で書かれている。
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45 Works – Gottfried Wilhelm Leibniz 1663
ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ著、ライプニッツ著作集

バロックの哲人の普遍的精神の全容を精選・翻訳した世界初の本格的著作集。
記号論理学・微積分学の創案、2進法の考案、エネルギー概念の先駆など、科学革命をリードする17世紀の哲人・ライプニッツの普遍精神の全容を表し、論理学、数学、科学、哲学、宗教から中国学まで、多岐にわたる主要著作を総合的に編んだ、本邦初、世界に類のない著作集。
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46 Pensees – Blaise Pascal 1670
ブレーズ・パスカル著、パンセ

『パンセ』(仏: Pensées)(「思想」「思考」の意)は、晩年のブレーズ・パスカルがある書物を構想しつつ書きつづった断片的なノートを、彼の死後に編纂して刊行した遺著である。
哲学・神学、傑出した知性による思索の書、人生論、モラリスト文学、宗教書、等々様々なジャンルに属する、と人々から見なされてきた。
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47 Ethics – Baruch de Spinoza 1677
バルーフ・スピノザ著、エチカ

『エチカ』(Ethica ordine geometrico demonstrata)とは、1677年にオランダの哲学者スピノザにより発表された倫理学の哲学的研究。
形而上学、心理学、認識論、感情論、倫理学の内容がそれぞれ配列されているが、中心的な主題は倫理である。
この著作の特徴は論述形式が全体を通してユークリッドの『原論』の研究方法から影響を受けている点であり、全ての部の冒頭にいくつかの定義と公理が示され、後に定理(命題)とその証明とその帰結が体系的に展開されている。
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48 Pilgrim’s Progress – John Bunyan 1678-84
ジョン・バニヤン著、天路歴程

『天路歴程』(英: The Pilgrim’s Progress、 Part I (1678年)正篇、 Part II (1684年)続篇)は、イギリスのジョン・バニヤン(バンヤン、バニャンとも)による寓意物語。
プロテスタント世界で最も多く読まれた宗教書とされており、”City of Destruction”(「破滅の町」)に住んでいたクリスチャンという男が、「虚栄の市」や破壊者アポルオンとの死闘など様々な困難な通り抜けて、「天の都」にたどり着くまでの旅の記録の体裁をとっている。
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49 Mathematical Principles of Natural Philosophy – Isaac Newton 1687
アイザック・ニュートン著、プリンキピア(自然哲学の数学的諸原理)

『自然哲学の数学的諸原理』(Philosophiæ Naturalis Principia Mathematica)(略称 Principia)は、アイザック・ニュートンの著書のひとつで、ニュートンの力学体系を解説した1687年刊、全3巻からなる書。
古典力学の基礎を築いた画期的な著作で、近代科学における最も重要な著作の1つ。運動の法則を数学的に論じ、天体の運動や万有引力の法則を扱っている。
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49+ Opticks – Isaac Newton 1704
アイザック・ニュートン著、光学

『光学』(Opticks)は、アイザック・ニュートンの主著のひとつで、1660年代からおこなっていた光学研究を集大成した光学研究の著作。
『自然哲学の数学的諸原理』がラテン語で書かれていたのに対して、この書は英語で書かれており、この書でニュートンが示した世界観は18世紀の様々な文学作品などにも影響を及ぼすことになった。
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50 Essay Concerning Human Understanding – John Locke 1690
ジョン・ロック著、人間悟性論

『人間悟性論』(An Essay concerning Human Understanding)は、1689年に出版された、イギリスの哲学者ジョン・ロックの哲学書。ロックは20年かけてこの著作を書き上げ、近代イギリス経験論の確立に寄与した。
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