また、偉大なる昭和の賢人がお亡くなりになりました。
陳舜臣氏は『阿片戦争』『太平天国』『秘本三国志』『小説十八史略』『中国の歴史』などを記した歴史作家であり歴史著述家です。
69年『青玉獅子香炉』で直木賞、76年『敦煌の旅』で大佛次郎賞、89年『茶事遍路』で読売文学賞、92年『諸葛孔明』で吉川英治文学賞を受賞しています。
更には日本における壮大な中国歴史小説というジャンルを確立した人であり、日本育ちの中国人としての複眼的な視点から、日中の相互理解のために積極的に発言し、日中の文化的架け橋の役割を担った大事な方です。
私の中では、どちらかというとあまりよいイメージのなかった曹操の評価が『秘本三国志』で一転させられましたし、教科書でしか知りえなかったアヘン戦争を『阿片戦争』によって詳細に知ることができましたし、なにより『中国の歴史』にはいろいろと教えて頂きました。
もう随分と手にとることもなくなってしまった陳舜臣氏の著書ですが、賢人が残された偉大な記録と業績を改めて読み返してみたいと思っています。
陳舜臣さん、心からご冥福をお祈りします。